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ザアァァァァァァァ・・・・・。

雨が降っている。

私は肩を濡らしながら、ここに立っていた。


いつから、ここにこうして立っていたのか。

もう忘れちゃった。

ただずっと、ここにこうして立っている。

顔を上げて空を見る。

見慣れたジェットコースターの錆びたレールと、暗く沈んだ雨雲が目に入った。



ザアァァァァァァァ・・・・・。

雨が降っている。

私は肩を濡らしながら、空を見ていた。


私は、こんなところで何をしているんだろう。

もう何もわからない。

気づいたときには、ここにいた。

ここには、私以外誰もいない。

たまに来る人もみんな、すぐにいなくなっちゃうから。

私はずっと、一人でここにいる。



ザアァァァァァァァ・・・・・。

雨が降っている。

今日は珍しく、久しぶりに歩いてみた。


錆びた遊具や建物が寂しく建っている。

この遊園地も、昔は人で賑わってたのにね。

雨のせいか、つい感傷的になってしまう。

立ち止まって空を仰いだ。

あはは。

結局、いつもと同じだ。

可笑しくなっちゃう。

・・・もう少しだけ、歩いてみよう。

あれ、珍しいな、人がいる。

私は肩を濡らしながら、その人に話しかけた。


・・・・。

廃墟巡り?

たまに来るね、そんな人たち。

みんな、****ったけど。

・・・ジェットコースター?

うれしいな、向こうにあるよ。

案内しようか?


ほら、こっちだよ。

え?事故?

・・・ああ、何かあったらしいね。

私はよく知らないけど。

なんでだろう、みんな言ってること違うみたいだね。

そうそう、どんな事故だったのか。

・・・私?

知りたい?

私が知ってる『事故』のこと。

何で知ってるかは、私もわからないんだけど。


ほら、そこにたって。

あのレールが見える?

昔ね、まだあれが使われてた頃、あそこで人が消えちゃったんだって。

ほら、安全のためについてる棒みたいなのがあるでしょ?

あれが壊れてたみたい。

そのせいで、人が一人落ちちゃった。

でもね、その人の死体は見つからなかったの。

地面に落ちたはずなのに、どこにもなかった。

どこに行ったんだろうね。

なくなるわけ、ないのに。


ちょっとした怪談だよね、これ。

怖い?

・・・そうでもない?

へえ、じゃあ、これはどうかな?


その落ちた死体、どうなったと思う?

落ちて、拉げて、潰れて・・・。

その『女の子』は、どうなったと思う?

落ちて、拉げて、潰れて・・・。

気が付いたら、ここにいた。

今もいるんだよ?

今もいて、人が来るのを待ってるの。

人が来たら、近づいて、後からがぶりって。

信じられる?

今もいるんだよ?

もう何十年もたつのに。


ほら、口元を真っ赤に染めてさ。

頭からこう、バリバリと。

ずっと一人で、お腹をすかせて待ってたんだよ。

だからさ、人が来るともう大喜びなの。


あはは。

久しぶりの、『ご馳走』だからね。


・・・・・。

雨が降っている。

私は肩を濡らしながら、ここでずっと待っている。

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