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小牧山城攻略戦12

「もう少しだ!!もう少しで門を破れるぞ!!」


小牧山城攻略をおこなっている不破光治は声を張り上げた。城門を激しく攻撃し、それはもう持たないように思える。何度も丸太をぶち込まれて、門はもうボロボロだ。


「よーしこれで止めだ!!いけーーー」


兵士達が大きな丸太を抱えながら持って城門に飛び込んでいく。兵士達の手に衝撃が走る。


バコーーン!!!


大きな音をあげて、遂に城門が開いた。そしてその時、門の奥から銃撃の音が響く。


バンバンバーン!!


「うわああああ」


先頭に立っていた兵士達がバタバタと鉄砲で撃たれて倒れていく。攻め方の兵は動揺するが不破光治は落ち着いていた。


「不破様、どうなされますか!!」


「次の発砲まで時間がある。止まると良い的だぞ!!突っ込むぞ!!」


「オオオオオオ!!!」


斉藤方の足軽達が撃たれて倒された者達を踏み越えながら、城内に殺到した・・・




「蜂屋頼隆様、敵兵の勢いは止められません!!」


「クソっしぶとい!!」


北畠方の城代である蜂屋頼隆は悪態をついた。門が開いたと同時に一斉射撃を敢行し、敵兵を足止めさせる。だがこれでも斉藤方は恐れて逃げ出さない。


「敵将はかなりの強者か・・・あーあ俺も運が悪い」


「蜂屋様、ここは城内へ!!」


城の中には不破光治率いる兵士達がなだれ込んでいた。こうなると多数に無勢、北畠方が不利である。次々に討ち取られていく。


「者ども、城の建物の中へ入れ!!そこが最終決戦場よ!!」


北畠兵は城内に引き上げようとするが、もう敵に捕捉されて困難な者も多い。特に鉄砲兵はもはや逃げ切れそうにもなかった。


「・・・もうこうなったら仲間だけでも!!」


死期を悟った鉄砲兵が、敵の方に振り返り最後の一発を撃ち放つと、そのまま切り込んできた。


「ええいこざかしい!!」


だがそれがあちこちで行われている。これでは流石の不破光治と言えども進軍を停滞させなくてはならなかった。


「なんだ・・・この士気の高さ・・・この城を守る者かそれとも雪姫という女のなせる業か、それとも・・・」


(雪姫という女子・・ここまで兵を纏めておるか・・・危険だな)


手痛い反撃を退けながら、不破光治ら斉藤勢は建物の中に入り込んだ。


「まず弓など見つけたら弦を斬れ。敵にあたるときは常に三人で対応しろ!!どこに敵がいるか分からんぞ!!」


不破光治は部下にこう指示を出していく。建物内の戦闘はどこに誰がいるか分からない。それに地の利は北畠家にある。ここは常に慎重にならざる得ない。市街戦は攻め方が不利であるの定石だがやむ得ない。




「なんだ、この部屋は・・・」


城の中を探索している不破光治達であったが、ある部屋に入った時驚きを隠せないでいた。小牧山城は突貫工事の上、身の回りを世話をする侍女が避難している為、乱れているのだがここだけはやけに清掃が行き届いている。そして美しい白い着物がかけてある。


思わず不破光治がその着物に気を取られていた時、突然部屋の武者隠しと思われる所から兵士が現れ、斬りかかってきたのだった・・・


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