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野良田表の合戦・前編(六角義賢vs浅井賢政)

時は永禄3年(1560)8月のそれはそれは暑い日、ここは近江の国の野良田表・・・


そう言ってピンとこないと思うので説明すると、現代の滋賀県彦根市あたりである。おそらく聖泉大学とかフレン○マートがあって、田んぼが多いあの辺りかと思われる。なんか余計分かりにくくなったかな・・・


さてそこに、六角義賢率いる六角家およそ2万5千の軍勢が集結していた。もうこれは当時の六角家の最大戦力に近い。


「ふふ、今日こそ浅井家の息の根を止めてやるわい」


その大軍の陣の中で、腕を組んで笑っている髭の生えたおっさんがいる。彼こそが六角義賢である。


「誰がおっさんやねん、ワイはまだ30台や。・・・まあそんな事はいいわ。今日こそ決着をつけるぞ」


えっなんで北畠家の物語なのにいきなり六角家になってるんだって。まあこれもこれからの話に繋がりますので・・・


さてそれはともかく六角義賢は執念を燃やしていた。なぜ彼はやたら浅井家を敵視しているのか・・・簡単に述べていこうと思う。


そもそも北近江の浅井家は六角による支配化が進んでいたが、それに対する反発が浅井家家臣団からおこった。彼らは、当主浅井久政を追い出しまだ15歳の嫡男賢政を擁立。


そして賢政の嫁は六角家家臣の娘だったので、その嫁を追い出した。あげくに要所である肥田城を守る高野瀬秀隆を寝返らせた。


もうこれでゲキオコプンプン丸になった六角義賢はその肥田城に攻めかかったのであった。それが4月、桶狭間の少し前である。そして彼は水攻めを選択したが、これが大失敗に終わる。


このままでは面子丸つぶれになってしまうので、今度は一転して力攻めを選択し、六角家の総力を結集して軍勢を集めたのだ。対する浅井家軍勢は約1万と報告もあり、数で勝っている。普通ならこのまま勝てるはずだ(フラグ)


自信満々の六角義賢に対し、彼の家臣後藤賢豊は複雑な顔をしていた。


(数は集まったが・・・はたして役に立つか・・・)


後藤賢豊は自陣の様子を見てきたが、どうにも士気が上がっていない。無理矢理掻き集めたので、やる気があまり感じられない・・・


「殿、浅井勢が宇曾川を渡河しつつあり!!」


そんな時、伝令が彼らの元に駆け寄り、急ぎ報告した。


「ふっ、追い詰められてそっちから仕掛けてきたか。よーし迎撃するぞ。先陣の蒲生賢秀に伝えよ、直ちに迎え撃て!!」


こうして野良田表の戦いが始まったである。六角対浅井の命運のかかる一戦である。



それから数時間後・・・



「浅井賢政様、先陣の部隊が崩れかかっております!!」


こちらは浅井賢政の陣である。浅井賢政は顔色一つその報を聞いていた。まだ15歳の肩に浅井家の命運がかかっているのだが、まるで悲壮感がない。それどころかどこか余裕すらある。


浅井賢政・・・後の浅井長政の事である。彼はまだ若輩ながらこの1万を越す軍勢を良く纏めていた。


「そろそろ頃合・・・よーし皆の者、よく聞け!!我等は一旦後退し、敵を川からこちらに引き寄せるぞ!!先陣部隊に撤退しろと伝えよ」


オオーーーー!!


喚声とともに浅井勢は後退を開始した。



「イケイケ!!浅井勢などは皆殺しだ!!」


一方そのころの六角義賢。彼はこの戦いの趨勢が見え始めていた。何故ならこのままなら正面で戦い続けるなら、数で勝るこちらに勝機があると。


「殿、敵方浅井勢先陣部隊は撤退を始めました!!敵将、百々内蔵助を討ち取りました!!」


伝令から報告が届く。もう間違いない、この戦いは勝ったのだ(慢心)


「ふっはっはっ!!どうだ浅井め。よしこのまま壊滅させてやる。全軍進め!!」


この命令に六角義賢の家臣、後藤賢豊は慌てて注進した。


「殿、お待ち下さい。なにも今すぐ本隊まで進めなくても。ここは先陣の蒲生賢秀に任せた方が良いかと!!」


「黙れ!!浅井賢政を捕らえギロチンにかけてくれるわ!!」


「そんなフレー○ル男爵みたいな事言うと負けます・・・って、聞いてますか、殿!!」


結局、六角義賢はまるで話を聞く事無く本軍を含めた全部隊に渡河命令を出し、浅井勢に襲いかかろうとしていた。


撤退する浅井勢を追いかけ、次々と六角勢は宇曾川を渡り始める。これから先に地獄が待つとは知らずに・・・

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