鳥屋尾さんを軍師にしたよ
相変わらず時代考証はいい加減です。
ここは殿様として、ビシッとかっこよくドヤ顔で言ってやった。ドヤァァァァ!
そしたらみんな怖い顔しだしたぞ。鳥屋尾さんが早速口火を切っってきた。
「まだ北伊勢も怪しいのに尾張攻めは無謀この上なし!」
他の武将も続いてきたぞ。
「木曽川に長良川など川も多く侵攻は困難。まずは志摩を!」
誰か、誰か、俺の意見を・・・
「いやいや南近江の六角殿とともにここは伊賀、大和を!」
おいおい全然、俺の言うことを聞いてくれない・・・どうなってるんだ、モブに聞いてみるか、おいモブ!
「殿の魅力値があまり高くないみたいですな、プッ。ゲームも始まったばかりで信頼度も低いですし」
モブはしたり顔で言う。なんだよそのシステム!ってか今、小さく笑っただろう!
「そんな隠れパラメーターがあるなんで教えてくれなかったじゃん。なにが安心サポートだよ」
俺は思わずモブを掴んでしまった。なんだよこのゲーム。ってか元の世界の俺ってそんなに評価低いの!
「ぐぐぐっ、そんな事おっしゃっても貴方のステータスに書き換えたと言いましたよ」
俺はモブの首を締めあげる。誰だ、逆ギレって言ったの!
「それじゃ俺が能無しみたいじゃん!」
「その事言いましても、実際無能なんだし(小声)」
「ふ・ざ・け・る・な!」
「まあ織田家攻めに決めて評定強引に終わらせましょう。信頼度は減りますけど、後で銭でも与えたら戻りますし」
俺はようやくモブから手を離した。
「なんか金で友達買ってるみたいで嫌だな」
「まあゲームの中も金次第なんでご安心ください。とにかく頭の中でコマンド出して評定終わりを押してください、ゴホゴホ」
俺は頭の中でゲームのコマンドを出して、評定を終わらせた。みんなぶつくさ言いながら帰っていった。大きい部屋に俺とモブも二人きりになる。なんか寂しい・・・
「とりあえず軍師に誰か任命しますか。そしたら軍師に相談して決めれますし、評定でも助けてくれますし」
「なんで後から色々なシステムを言うんだよ、やっぱりクソゲーそのものじゃん・・・まあとりあえず皆の能力を見てみるか」
俺は頭の中で部下のステータス表を呼び出してみる。なんだかんだとシステムを使えるようになってきたな。どれどれみんなの能力はと・・・
「うーん、みんなあんまりパッとしないな・・・」
「殿は人の事言えないですよwww」
「チュートリアルのキャラなのに草を生やすな!誰だよこんなキャラにしたのは。ふー、とりあえず落ち着いて見ると、やっぱり鳥屋尾さんが一番能力高そう」
「では、さっそく呼んできます」
モブがスタスタと部屋を出て行く。こういうところはしっかりチュートリアルの仕事してるんだな。
モブが鳥屋尾さんを連れてきた。うーん、顔が険しいぞ、不満が溜まってるんだな。まあとにかく用件を言おう。
「うーんと、とりうお・・・いやとりやおさんっだっけ。今日から俺の軍師になってよ」
そう言うと鳥屋尾さんの顔がパッと明るくなった。おお、分かりやすいぞ。
「なんと拙者にそのような大任をお任せくださると・・・ありがたき幸せに御座います」
うん?なんかモブが鳥屋尾さんに近づいて、袋をあげたぞ。なんか重そうだ。
「これは、殿から鳥屋尾殿に下さる銭である。殿は鳥屋尾殿に大いに期待しておられます」
おおナイスだモブ。なるほどそうやるんだな、覚えとこ、メモメモっと。鳥屋尾さんの顔がどんどん明るくなるぞ。
「拙者は果報者でござる。これからは殿の戦略の助言をしっかりしてまいります」
ふー、ようやく俺の話を聞いてくれそうだ。もう一度織田家攻めの事を言ってみよう。
「なあ鳥屋尾さん、織田家に攻めるのって難しいの?」
「まずは北伊勢をある程度まとめないといけないでしょう。長野家はこちらにつきましたから、あとは細々とした小勢力をのまないといけません」
「それを年内までなんとかやって」
「むむむ、困難ですが殿が言うならなんとかしましょう」
かなり褒美の効果が出てるな、反論せずにやってくれそう。やっぱゲームの中でも銭は有効なんだな・・・
「あとは、尾張の伊勢の間には長良川、木曽川などがあり大軍の移動には船が必要かと思われます。これら兵站の準備がありますから、今すぐの侵攻には反対です」
「来年の五月に尾張侵攻をおこなう、これは絶対」
「かなりの難事業ですが、殿のご命令あれば必ず達成いたします」
よしよし、あとしないといけない事は・・・
「今川家にガンガンお金ばら撒いて、それまでに同盟関係を持ちたい。あと一応美濃の斉藤家にも使者を。それと尾張に忍びを大量に」
「なるほど、織田包囲網を作るのですな。間抜けな顔をしている割にはなかなかしたたかですな・・・おっと失礼」
おいおい、なんて事を言うんだ。どうもこのゲームを作ったやつは口が悪いらしい。ときどきセリフがおかしいぞ。
「あとこれから、城内まわるから付き合って、モブもきて」
「ははー」
鳥屋尾さんは頭をふかぶかと下げた。モブが俺に近づいてくる。
「なにをされるんで?」
「うーん、とりあえず城内に能力高い人いないか探しにいく。信長の部下ってチートばかりなんでしょ。こっちも対抗したいし」
「おお、私の教え方が良かったのか、かなり慣れてきましたな。能力の高い者がいたら登用ボタンを押すと雇用ですますよ」
「だから、先にシステム教えろよ!!!」
そんな事言いながら、俺達は仲間探しを始めた。なんか戦国シミュレーションゲームというよりノリがRPGみたいになってきたな・・・
会話だけで終わってしまった・・・いつ戦に入るのか作者でも分からなくなってきたな・・・