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稲葉山城の戦い2

さて場面は変わり、ここは尾張防衛の要である犬山城である。今は雪姫がここの城主で辣腕を振るっていた。


雪姫の美しさはますます磨きがかかり、その妖艶さで犬山城の中でも人気が高い。まあ本人はちっとも気にしていないが……


「細野藤光……清洲城の父上の様子はどうじゃ」


こう言った雪姫の質問に対し、少し困った顔を浮かべながら、清洲城からの出張帰りの細野藤光が答えた。


「はっ、北畠具教様はすこぶるご元気。北の方様、犬姫様、市姫様を傍に置き、夜な夜な励んでおられると家中もっぱらの噂にございます」


雪姫は思わずズッコケた。ズッコケ姿も美しい。


「もう父上ったら……家中の反応はどうなの?」


「犬姫様、市姫様とも織田家の血を引くものでございます。もしお子をなせば、織田家を継がせるとなれば誰もいちゃつくのに反対は致しませぬ。まあドスケベとかエロ殿とか言われてますがね。細かい事はなろうでは書けないのでノクターンでと作者は言っとりますな」


雪姫は頭を抱えながらこう言う。


「……それじゃ私はエロ殿の娘なんだからエロ姫になるのかしら……まあそれは兎も角、領民の支持は?」


「これが意外なのですが、マメに城下に巡察しては、領民の声をよく聴いております。清洲城付近の治安も安定しておりますな」


「……つまりはとりあえず安泰といったところね。すると敵は中ではなく外……斎藤家ね……」


細野藤光が雪姫にまるで証券営業マンのようにグイグイ近づく。


「なんなのよ、細野」


「実は姫様……拙者に一計がござる」


「……あなたが私に内緒でウロチョロしてたのは知ってるのよ」


「これは姫様流石ですな。実はですな……」


丁度その時、一人の侍が部屋に飛び込んできた。


「細野様!!竹中殿より火急のお手紙にござる!!」


「竹中?斎藤家の竹中重治の事ね。細野、貴方は何を……」


細野藤光がその書状を読み終えると、すぐさま雪姫に向かいこう進言する。


「雪姫様、直ちに御出馬を!!」


「話が読めないわ。一体どういう事なの?」


「実は竹中重治は既に我らに寝返っております。そして安藤守就殿も我らに味方し、北方城にて挙兵をなさいました。それを討つ為、斎藤龍興は大軍を差し向けつつあります」


「……手薄な稲葉山城を一気に攻めるとでもいうの」


「流石は姫様。ご明察にございます」


「私達が今動員出来るのは精々、千五百兵よ。これだけではとても落ちないわ」


「それは竹中重治が上手く立ち回るとの事。姫様が稲葉山城に着けば全てが決着すると豪語しております」


雪姫はしばし考えた後、決断を下した。


「分かりました。準備が出来次第すぐに出ます。それと独断専行した貴方も後でき・つ・く仕置きします」


「それはもとより覚悟の上にござる!!鞭でもロウソクでも何なりとお申し付けください」


雪姫はこう言う細野藤光を引っぱたきながら、大急ぎで準備した雪姫配下の犬山城の兵、千五百を一路、稲葉山城に向かわせ進撃するのであった……


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