取り戻した記憶の欠片
「記憶が戻ったのですか!?」
エルトリーデは兜の奥の瞳を輝かせ、嬉しそうな声で問うてきた。
まさかと思い、色々思い出そうと試みたが…
「…っダメだ!これ以上は全然思い出せない…ぬか喜びさせちゃってごめんな」
「いえ、それでも少し記憶が戻ったのでしょう?大きな進歩ですわ」
勇者エルトリーデは、こんな、剣になった俺の記憶が戻ることを喜んでくれるのか。口では捨てるとか、仲間なんていらないと言っているが、根っこは優しいんだな。
「エリー……ありがとう」
「そっ、そんな面と向かって言われると照れますわ…」
面、無いんだけどな、俺。
「とっ、とにかく、クロ、これからもその、よろしくお願いしますわ…」
「なんだよ改まって?」
エルトリーデの照れ隠しだと分かっているが、ついからかってしまう。かく言う俺も照れてるのかもな。
宿屋に着いた俺は再び、エルトリーデの着替えの間革袋を被せられた。
あ、信頼関係築けたわけじゃなかったのね…
勇者と聖剣の仲、大して進展せず。
どうも、肉付き骨です。予定より早く更新できましたね。
今回は、記憶を取り戻すことが可能、ということを示そうと思い書いた一話です。
次回は二日後に更新できそうです。インスピレーション!
深夜のテンションをお許しいただきたいm(__)m




