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 春、桜の花びらが宙を舞い、新しい出会いを歓迎し、旅立ちを応援するそんな季節。1人1人それぞれの思いを胸に抱き、人は旅立つ。そんな季節。

 人は、その旅立ちに何を感じるのか、輝く海辺のような笑顔で笑い希望をもつ人、旅立ちの不安から下を向き何かのキッカケをつかもうとも何もない地面をただ見つめ歩く人と様々だ。

 エイプリルフールも一昨日の話となり、嘘の世界から解き放たれ、軽々しい春の気分。今日は縁側で茶でも飲みながらゆっくりと舞い散りはじめた桜を見ながら、春の陽気にうたれてうたた寝がしたいそんな季節に、今日もやって来ました、勇者御一行様。

「お前の野望も今日で終わりだ!」

とかうるさいよ。俺の魔力でさっきまで出してた春の情景とか消さないといけないじゃん。あー勇者すごい、目がガチ。俺殺されるわこれ。なんか伝説の剣的なのがバチバチ電気出してて怖い。勇者達の目が若干血走りしている。

 俺は、基本的に戦いは嫌いだ。なぜなら魔王っぽくしないといけないからだ。俺ほど職務怠慢な魔王はいないだろう。勇者が来るとは知っていたが、割と早いご到着なのは、四天王の3/4がサボったのだ。丸わかりだ。バレてないと四天王は思っているが、勇者割と元気そうだし、さっきから後ろ部屋で俺のゲームやってる音が聞こえる。勇者がまだかまだかと焦らせる。こっちはついさっき起きたばかりで、申し訳ない。

「あー、なんかすんませんけど、今から準備するんでちょっと待ってください。間接照明で見えづらいと思うんで、説明しますが今スエットなんっすよ」

「貴様!!舐めているのか!!」

まぁ、そりゃそうなる。魔王っぽい格好ならまだしもスエットは勇者も怒る。言うならば、コンビニに雑誌立ち読みしに行ったら、今週から封されたパターン。まぁ、イライラするよね!

「炎の魔王!我が剣の餌食となれ!奥義・光破烈翔剣!!」

威勢がすごくいい勇者というのはすごく疲れる。手で汲んだ水が溢れ出すみたいに急ぐから、こっちも準備に時間がかかる。しかも、技名叫ぶのもやめてほしい。考えるのはいいけど、叫ぶのは君いくつ?とかいう話だ。むちゃくちゃ剣振り回して斬りかかるだけだから、軌道が読み辛いから、当たって痛い。子供の頃にお母さんから刃物を振り回すなと教えられんかったのか?と問いたい。んで、最後に爆発したりするとめんどくさい。いくらしま○らで買った安いスエットでも、これがやぶれれば、外に出ないといけなくなる。それはとても嫌だ。

 案の定爆発して、砂煙が舞い、勇者達が見えなくなる。それはあちらも同じことであろう。今ごろ、勇者御一行で「やったか!?」とか言ってるに違いない。「やったか!?」とか言っちゃうと、たいていやってないってそろそろ教科書に載せてあげてほしい。

「クソ!ならもう一度だ!くらえ!必殺奥義!真・鳳凰光「うるさいよもう燃えろよ」」

勇者御一行が火の海に消え、骨も燃えカスも残らないぐらいの炎で俺は攻撃する。燃え上がった後には勇者御一行は跡形もなく消え去る。ちなみにだが、勇者しか喋ってなかったので補足するが他には戦士、僧侶、賢者とバランスのいいパーティだった。

 ロールプレイングゲームの魔王なんてのは、あくまでも決まった相手だ。悪さをして、人に迷惑をかけるタイプの魔王だ。だが、俺は平穏な生活をしたいタイプの魔王だ。今日の彼らも間違って来たのだろう。本当に申し訳ないが、俺みたいにな魔王に倒されて彼らは浮かばれるのであろうか?

 (続くと思うと思う!)

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