争始
この物語ははるか昔の物語。
人間がまだ地球の支配者面をしておらず、他の動物と共存し、心を通わせていた時代の物語。
大きな大きな大陸の東に位置する小さな島国、四獣星国の物語。
4獣星国は4つの国で構成されていた。
東にある龍の種族が統治する国ドラーゴーナ、
西にある虎の種族が統治する国ハリマウ
北にある亀の種族が統治する国ヒェロナ
南にある鳥の種族が統治する国ポイニクス
4の国の中に多数の異なる種族が入り混じった多くの村を作り、平和に暮らしていた。
以前は肉食動物が草食動物を狩る弱肉強食の争いの時代もあったが、人間の種族が肉の代わりとなる大豆の安定した大量供給を実現したため、肉食動物が狩猟をする必要がなくなった。
これにより、争いはなくなり、世界は平和となり始めた。
しかし、争いの種は小さな島国の北に位置する未開の孤島、サタナスからやってきた。
人と同じ二足歩行ではあるが、その姿は人とはかけ離れた姿。
鋭い牙に爪に角。狂気に満ちた目。赤や青の皮膚。背丈は2mのものから10mのものまで様々。
それらは自らの種族を鬼と呼んだ。
鬼は北にあるヒェロナに攻め込んだ。
ヒェロナは多くの村から集めた多くの種族の連合軍を用いて鬼の軍に奮闘したが、鬼の圧倒的な軍事力の前に敗戦。
その後ヒェロナの国王で亀の種族のターリウス一族はまだ幼かった王子カーメラを除いて皆殺しにされ、あっという間に亀の国は鬼に占領されてしまった。
各国はヒェロナを救うべく、それぞれ小規模な反抗作戦に及んだものの、圧倒的な鬼軍の力に為す術もなく破れ去った。
こうして鬼による統治支配が始まった。
ヒェロナの民達は秘密裏に反抗組織トルトゥーガを設立。
唯一の王族の生き残りであるカーメラを反抗のシンボルとして祭り上げ、水面下で反撃のチャンスを待った。