第三話:携帯
初めまして(*^_^*)
ミニーです。
しょっぱなから少しミスをしてしまいました 汗
気づいてる方も居ると思いますが、一話と二話の置き場が逆になってしまいました。゜(PД`q)゜。
すいませんm(_ _)m
先頭に二話が置かれていますが2番目にある小説が本当の【一話】になります。
ちゃんと一話、二話、と数は書き込んでありますのでお間違いのないようお願いしますm(_ _)m
初めての投稿なので無力な部分もあります(^_^;;)精一杯がんばりますのでよろしくお願いしますッ
━━小さい時から歌うことは好きだった。
おばあちゃんがよく言ってくれてた。
『美月は誰よりも優しい声で歌うんだね』
褒められた喜びをずっと覚えてる。
━━━もう聞かせてはあげれないけど…
いつしかあたしは歌わなくなったよ。
まるで忘れてしまったかのように………
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━ペタ…
━ペタ。
健康サンダルが床を踏みならす。
ゴトンゴトンと大きく鳴り響く電車の音に、負けないぐらいの存在感。
ううん……
もしかしてあたしだけにしかこの音は聞こえてないかも……
━━何で…?
何で同じ学校でもない子からこんな犯人探しみたいなことされなきゃいけないの?
ゆかは自分の好きな人が他の子好きになったらその子を落とすの……?
こんな暗く悲しい場所まで。
こんな追いつめられたせまい場所まで……
あたしは見つかる前に心臓がこの緊張に裂けてしまいそうだった。
叶うなら逃げ出したい。
つか本当にわけがわかんない。
何であたしなの…?
何であたしなんだよっ……………
━ペタ…
あたしは殺気を感じた。
床を踏むサンダルの音が。
一瞬でとまった。
……見つかった……?
ダメだ……
ちゃんと横を見れない。
怖い……
あたしはとことん目をそらしてる。
でも現実は残酷だ。
━━━確かに見えた。
電車の窓に映った女の姿……
あたしの横にたってる。
ずっとこっちを見てる。
━━━終わった…
あたしは妄想の中でこれから起こることを想像した。
まず次のホームで無理矢理降ろされる。
あとは人気の少ないとこに連れてかれて、ボコボコ。
もしかしたら他の仲間も呼ぶかも。
場合によっては……レイプとか……
ゆかはもしかしたらあたしを本気で殺そうとしてるのかも……
理由なんか関係ない。
たとえそれがささいな理由でも、あたしはゆかにとっての獲物なんだ。
あたしはゆかのステージで無惨に焼き払われる公開処刑人…
━━━いつまで沈黙が続くんだろう。
あたしは怖さに耐えきれなかった。
手がガクガクとふるえた。
「……あんた」
ボソ、とつぶやき声が聞こえる。
本当に静かな声だった。
それでもあたしの体はビクついた。
冷や汗が握りしめた手にひろがる。
「…浅井美月……?」
女の刺すような視線を感じる。
精神がおかしくなりそう。
━━違うって言え…
違うって……
目からあふれそうな恐怖感の滴。
━━あたし何でここにいるんだろう…?
やばい…
本当に精神が参ってきてる。
「…はい」
あたしは考えと裏腹な返答をした。
一番自分がびっくりした。
バカ!バカ!と自分に訴える。
でももう遅い…
━お母さん……
あたしね……?
友達なんか居ないんだよ…?
学校でいちゃもんつけられて、
あたしはどんどんのけ者にされてったの。
今じゃ皆があたしを必要としてない…
友達なんか居ないんだよ……
居るのは……
━━━みんな敵だよ……
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加古は廊下をキョロキョロしていた。
ゆかを探しているのだ。
手には何かをもっている。
同じ場所を行ったりきたり。
加古の口元には暗い笑みがこぼれていた。
「キャハハハッゆかこわーい」
加古の目はトイレを捕らえた。
そのけたましい笑い声は間違いなく南トイレから聞こえた。
加古はフッと笑い、そのトイレに吸い込まれるかのように入っていった。
手には2枚の写真と、携帯電話をもって………
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━ドクン
自分の心臓の音がやけに大きい。
顔が熱い……
頭がだんだんボーとしてきた。
情けないよね……
ブルッてるなんて……
こんな時でも助けてくれる奴いないなんてね……
「……あきらー」
あたしの横に突っ立っている女の子は声をあげた。
携帯電話を耳にあててる男がこっちを振り返った。
多分ゆかと電話しとくように頼まれてた奴だ。
何…?
もしかしてあの男呼んでさっそくボコるとか……?
嫌なことしか考えられない。
本当にマジついてない……
あたし中学の時いじめられるキャラなんかじゃなかったよ…?
逆にめっちゃ友達もいた……
高校に入ってこれからもっと楽しくなるかと思ってた……
思ってたんだよ……
「携帯返して」
女はあきらとかゆう男に言った。
あきらは頷いて、
「あゆに代わるよ」
電話の相手にそう告げた。
もう泣きたいぐらいに胸がいたい……
あきらはベタッと座っていた床に手をつき立ち上がろうとした。
……あゆ?
この人の名前かな……
あゆと呼ばれてる子は本当に無表情だ。
「や、その場でいいから投げて」
立ち上がろうとしていたあきらにあゆはそう言った。
男を呼ばれると思っていた美月は一瞬だけホッとした。
が、それもつかのま。
投げられた携帯をキャッチしたかと思うとすぐに耳にあてた。
あゆの視線がまたあたしに戻った。
やな予感が全身に流れてる。
「もしもし?ゆか?美月とかゆう奴のことだけど…」
……あたしはとっさに勘づいた。
━━言う気だッ……
あたしがここにいることをゆかに報告するんだ……
そしてその後はきっとあたしが予想した通りのことをされる……
━━嫌だ……
やめてッ……
言わないでッ…………
あたしをにらむあゆの目……
だが、あたしの願いはむなしくあゆは再び口を開いた。
「あんね……」