15話目 結末(完)
怜央君の、言葉を信じてみようと思った。
もちろん私はこれ以上傷つきたくないので、全部を信じられるとは思っていない。
それでも、怜央君の愛の言葉を受けとめたかった。
隆弘には、本当のことを話して謝った。
彼は、私が本当の意味で隆弘のことを好きではなかったと気付いていたと言う。
本当に申し訳なかった。
怜央君の女関係は、自分で言うにドライらしい。
あとくされがない人たちを選んでいたからだそうだ。
だから、御使さんはチョイスミスだと苦そうにこぼしていた。
それを聞いてもいぶかしげな私を見て、携帯を目の前で池の中に投げ捨てたのはまた別の話。
あれから、怜央君からのメールの受信ボックスはいっぱいになってしまった。
私が出すより多くのメールを送ってくれるし、電話もくれる。
怜央君が正式に私の両親に話をしてくれたおかげで、大丈夫な日には怜央君の家に泊まることもできる。
大学は、やはり東大の理Ⅲを目指すことに。
学校の先生も、塾の先生も、怜央君も、隆弘も喜んでくれた。
愛してるって言葉は、臆病になった私からは言うことができないけど、怜央君が言ってくれたら私もだよ、って返すことができる。
そんな私を怜央君はいつでも抱きしめてくれた。
実樹をこんな風にしたのは自分だ、なんて言って。
でも、幸せだった。
心地よかった。
人を、愛することが。
愛している人に、愛されることが。
その次の3月、私が合格発表の場で、怜央君に抱きついて愛してる、といったのは公然の秘密。
本編は終わりです!
ありがとうございました(*^_^*)
とりあえずハッピーエンドです。(え?若干しこりが?)
ははは・・・この後おまけを書いていきますので、どうぞ少しだけお付き合いください。




