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異世界はつらいよ~転生勇者放浪記~  作者: 花京
第三章 ガルディア帝国編
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第五話 陰謀はつらいよ④

 礼拝堂とは打って変わった質素な客間。

 各々席に座りすぐにシドが切り出した。


「あなた宛てにこれを」

 と、マーリンに密書を渡した。


「こ、これは呪による封印!

 私にしか開けられない仕組み」

 マーリンが目を見張る。


「ぜひ、内容を教えてもらいたい。

 ここにいるリラにも関りがあるかも知れないので」

 シドがリラを見ると、緊張しているのが分かった。


「わかりました。それでは」

 マーリンが密書に触れると赤黒い光が立ち上り、封印が解けた。


 黙読していたマーリンの目が見開かれる。


 そして目に力が宿っていく。

「何ということだ。帝国が秘密裏に魔族と取引?

 魔弾銃を研究・開発しているだと!」


「冗談じゃねぇ。

 こんなもんバレたら戦争じゃ済まねぇぞ」寅二郎たちに衝撃が走る。


 密書にはコルンハーグにて魔弾銃の開発の最終段階に入っていること。近いうちに実戦に投入される可能性があることが記されていた。


「魔族と協力して魔弾銃?

 この世界じゃ銃は失われた技術だと聞いたぞ?」

 寅二郎がシドとの会話を思い出す。


「ああ、魔族に銃は効果が薄い。

 しかし魔弾銃はマナを込めて打ち出すため、

 “魔族にも効果がある”とはされている」

 シドが言いよどむ。


「だが、マナを込める際、

 必要以上にマナを吸い取られ死んでしまうものが続出した。

 それで魔弾銃は禁忌の業とされたのだよ」と、マーリンが後を継いだ。


「そんなやべぇモンを帝国が秘密で作っているというのかよ」

「どうやら内部告発者が私に伝えたくて密書に認めたようだ」


「あの人がそんなことを」リラはアムステルドで殺された上客の顔を思い出す。

「しかし、あの男はなぜリラにあんなことを?」寅二郎が疑問を口にする。


 シドが深く思案する。

――内部告発者は聖ローマン教を使ってリ・エスティーネ王国や五大国に知らしめようとしていた。そしてその中で大司祭マーリンに接触するため身辺を調べていた。マーリンに身内がいれば弱点となりうる。そして身内が発覚したとすれば…身内と接触していたとすれば…その身内とはつまり……


ガシャン!


 シドの思案を遮るタイミングで窓から発煙筒が投げ入れられた!

「何だ!」

「煙は吸うな。ヤバいぞ!部屋を出ろ!」

 すぐさま廊下へと飛び出す面々。

 廊下の両側から音も立てず襲撃者が走り寄ってくるのが見えた。


「トラジロウは右を!俺は左を抑える!」

「おう!」すぐさま二人は対処に当たる。


 シドが襲撃者と剣を交えたその一方、

「これでもくらいなぁ!」寅二郎が大上段から剣を振り下ろす!襲撃者は低い姿勢のまま受け止めるが、寅二郎が全力で押し込み肩を割く!すると、割かれた肩から黒い煙が上がる。


「何だぁ?お前それ!」


 その瞬間、襲撃者は一気に跳ね退き逃げ出した。


「ありがとう。助かった」マーリンはシドに癒しの魔法をかけていた。

「いや、逃がしてしまったな。面倒なことになりそうだ」

 リラも寅二郎に近寄ると、詠唱を開始した。

「女神よ──その温き慈愛を貸し与えたまえ…!」

「光よ、傷を照らし痛みを溶かす柔き祝福となれ…!」

「仲間の命を癒し、再び歩む力を与えたまえ──

《ホーリー・ヒール》!」


「リラちゃわんの癒し、効くねぇ~」

 癒しの光を浴びながら、

 寅二郎はリラに抱き着こうとし、

「うるさい、集中が切れるでしょ」と顔を押し退けられていた。


 その光景を見ながら、マーリンは何かを思い出しそうになった。

「何か、懐かしいような…」


帝国の陰謀、マーリンとリラの関係、コルンハーグでの激闘。

事態が大きく動き出そうとしていた――。



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