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異世界はつらいよ~転生勇者放浪記~  作者: 花京
第三章 ガルディア帝国編
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第五話 陰謀はつらいよ①

 帝都レギオンブルクのレギウス城、

 その謁見の間の玉座に座り皇帝レギウス三世は報告を受けていた。


 報告者はぴったりと体に沿う黒のスーツ。

 赤髪で、寅二郎とも因縁のあるあの女。フジコだった。

「砂漠王国カルナードのダンジョンより、

 遺物“亡者姫の髪飾り”を入手し帰還いたしました」

「うむ、これで闇属性魔法の解析もさらに進むであろう。フジコ、よくやった」

 感情の見えない表情で皇帝は言った。


 視線で係りの兵士をフジコに使わせ、

 髪飾りを受け取らせると続けて言った。

「次はルゼリアだったか、次もよい報告を期待している。下がってよいぞ」


「はは」


 フジコが下がろうとしたところに、

 憲兵隊の制服を着こんだ兵士が入ってきた。

「陛下、リ・エスティーネ王国で勇者資格を剥奪された冒険者が帝都入りを」

 兵士が言いきらないうちに、

「構わん」皇帝は手を振ってこたえた。

「しかし、マーリン大司祭と接触を」

「黙れ。フジコ下がってよい」

 皇帝はフジコが出ていくのを確認すると、続けた。


「それは諜報部に一任してある。

 下手に動いてリ・エスティーネ王国と事を構えるわけにはいかん。

 泳がせておけ」

 なお言いつのろうとする兵士を皇帝は視線で制した。

 睨まれたわけでもないのに兵士は硬直した。


 ようやくの体で、「はは」と言い残すと兵士は下がった。


「今はまだリ・エスティーネ王国と事を構えるわけにはいかん。今はまだ…な」

 皇帝は誰にともなくつぶやいた。


 謁見の間を抜け、廊下の窓から外を見上げるフジコは思った。


(やっぱり来たのね、トラジロウ。

 帝国の暗闇に巻き込まれないといいけど、無理ね。あの性格じゃ)


口元に微笑みを浮かべながら、フジコは次の任務へと旅立つのだった。

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