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第三話 乗馬はつらいよ①
寅二郎たち三人は追手に隙を見せないよう日中歩き続け、宿で休息を繰り返していた。大都市アムステルドを抜けようかというところまできたある日の夜、シドが言った。
「いよいよ街も終わり、帝都レギオンブルクまで草原地帯を行くことになる」
「何か起きるってことか?」
「おそらくな、レギオンブルクも目の前。どこかで襲ってくるはずだ」
「ど、どうするの?」
「明日、馬を買う。一気にレギオンブルクの検問所まで突っ走るぞ」
「馬ぁ?俺乗馬なんてしたことないぞ?」
「私もお遊び程度しか経験ない」
「無茶は承知の上だ。
とにかく馬から落ちないようにだけ気を付けてくれればいい」
不安そうな二人だが、シドの真剣な表情に唾を飲んだ。
「レオンの件もある。帝都に入れば一息つけるはずだ。ふたりとも頑張ってくれ」
シドが励ますが、二人は眠れぬ夜を明かすのだった。




