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異世界はつらいよ~転生勇者放浪記~  作者: 花京
第三章 ガルディア帝国編
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第一話 護衛はつらいよ⑦

 リラが慌ただしく支度を進めている中、

 ドルドが寅二郎に声をかけた。


「リラへの“贈り物”は全部持って行ってくれ、報酬の前払いだ」

「ありがたくもらっていくよ」


 そんなやり取りの中、ようやく――


「おまたせ」


 白のロングパンツに、フード付きの白いパーカー、

 動きやすさ重視のリラが立っていた。


「何つうか」寅二郎が目を見張った。


 白の上下ということもあるのだろうか、

 リラの立ち姿には気品が感じられた。


 しばらく呆けた表情で立っていた寅二郎に、


「準備完了だな。行くぞ」と、シドが言い、


 三人は静かに《クレイジーラック》を出発したのだった。


 娼館ですら明かりを落とすアムステルドの深夜、

 月明かりだけが街並みを照らしている。

 三人は運河沿いに先を急いでいた。


「やつら、追ってきているか?」

「ああ、しかし今すぐどうこうというわけではなさそうだ」


「で、私たちはどうするの?」


「帝都レギウスの大教会。

 急いでマーリン大司祭に会いたいところだが、

 なるべく移動は昼間にしよう」


「人目がある方が、安全ってわけか」

「分かったわ。二人に従う」


そして、三人はギルドへ経過報告ということにして、

併設された酒場で夜を明かしたのだった。

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