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異世界はつらいよ~転生勇者放浪記~  作者: 花京
第三章 ガルディア帝国編
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第一話 護衛はつらいよ⑥

 そして、リラやドルドの前で上客の“贈り物”を調べる二人。


「基本は貴金属だな。

 売って逃亡資金にする思惑でもあったのか。ん?これは」


 シドが取り上げたのは白木の箱。

 中には真珠の首飾りが入っていたが上蓋の裏から板が外れた。


「何か落ちたぞ?」

「これは、密書か!宛先はマーリン大司祭だと!?」

「内容は?」

「駄目だ、マーリン大司祭本人しか開けないよう呪術的封印がしてある。

 無理に開けようとすれば燃えて無くなるように仕組まれている」


「直接渡しに行くしかないな。そしてこれを預けていたってことは」

「ああ、リラにも来てもらうべきだ」


 一気に事件の渦中に巻き込まれたリラ。

 戸惑い声を上げられずにいたが、


「分かったわ。あの人の最後の意思に従ってあげるべきだものね」


 いまだ震えながらも、はっきりと言った。


「というわけだ。ドルド、俺たちは行くぞ」

「しょうがねぇな、しかし憲兵隊にはどう言う?」

「客が殺されたとだけ言っておけ。

 リラと俺たちはいつの間にかいなくなっていたことに」

「それだけでいいのか?」

「俺たちは重要参考人として追われることになるが、

 店にはそれが一番影響が少ないはずだ」

「どうせ、黒装束のやつらには追われるわけだしな」

「むしろ、帝国側は表沙汰にはしたくないはずだ。

 憲兵隊は俺たちの関与をもみ消すかもな」


 帝国の陰謀に巻き込まれ、それでも毅然とした態度の二人に、

「すまねぇ、巻き込んじまった」頭を下げるドルド。

「構わねぇよ。リラちゅわんの護衛任務が続行ってだけだろ?」

 手をひらひらさせながら、寅二郎は笑った。

「リラ、悪いが急いで支度だ。すぐに出るぞ」

「分かったわ」


 リラも、もはや震えていなかった。

……少しだけ目を閉じて呼吸を整えるリラ。

見開いたその翡翠色の瞳には決意の色が見えた。

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