第四話 勇者PTダンジョン制圧に行く③
翌日、《暁の翼》の面々がダンジョン前に到着すると、王国騎士団第三隊、ギルド職員のゴランたち、さらに多くの冒険者で広場はざわめき、百人以上の人々が装備を整えながらひしめき合っていた。鎧の金属音、ローブの擦れる音、魔法道具の微かな光――そのすべてが緊張感を増幅させる。
「これだけの規模で行われるんだね」アンナが感嘆混じりに呟く。
「それだけ脅威ということか」アリアは腕を組みながら冷静に受け止める。
「何が待ってるんだろうね!」リルルは好奇心を隠せず、指を組み小さく跳ねた。
「用心に越したことは無い」ヤスコは眉をひそめ、静かに警戒を口にする。
「ですよね、気をつけなくちゃ」ユキナは、祈るように視線を彷徨わせた。
そこへ、金茶のショートヘアに鋼色の瞳を持つ女性騎士エルザが歩み寄る。
鎧には第三隊の紋章が光る。
「皆さん、到着されましたね。
再度ギルドマスターのゴランさんから手順のおさらいがあって、
いよいよ突入ということになるそうです」
「よろしくね、エルザさん」アンナがエルザと握手を交わした。
「こちらこそ。
今から私は《暁の翼》の臨時PTメンバーということになります。
よろしくお願いします」
「よし!それでは《灰哭の巣窟》合同調査の最終確認をするぞ。集まってくれ!」
とゴランの大声に注目が集まり、アンナたちもそちらに向かった。
内容は昨日と同じ、前衛として王国騎士団がダンジョン制圧を進め、《紅の翼》がそれに続く、冒険者たちはその制圧地域のマッピングや後方支援に徹する。
そして、今日は夜までに一度撤退し、情報の共有、明日以降の攻略方法を会議することが発表された。
ライネルが短く、力強く叫ぶ。
「行くぞ!」
その瞬間、広場のざわめきが一瞬で静まり、
突入への緊張感が全員を包み込んだ。
《灰哭の巣窟》攻略の幕が切って落とされた。




