第三話 マダム救助はつらいよ②
二人が追いかけ始めてすぐ、脱輪したのか先程の馬車が止まっていた。
「やべぇぞ!御者が襲われている!」
「あの距離なら!風よ!」
シドが手をかざすと、デザートイーグルの翼が不可視の刃に切り飛ばされた!
「仕留めろ!トラジロウ」
「オラ!」寅二郎の気合とともに白い光を帯びた剣が本体を切り裂いた。
ピクリとも動かなくなったことを確認し、寅二郎は御者に声をかけた。
「大丈夫か?」
茶色のオーバーオールに、日光除けか白い布を頭に巻いたその御者は、
「ありがとう、お二人さん。本当に助かった」
と顔の布を取りながら近づいてきた。
「お?おお!」寅二郎は声を上げた。
「どうした?」
「もっこりマダム!」
しかしてその御者は女性だった。年の頃は40代後半といったところだろうか。髪は少し白いものも混じるブロンド。笑うと寄る目元のシワが確かに年齢を感じさせる。だが、年齢を感じさせないものがあった。それは胸。オーバーオールのボタンが留められないほどのボリューム感に寅二郎の目は釘付けだ!
「マダム、早速ですがワタクシともっこりいたしませう」
寅二郎は精いっぱいの大人な?態度で口説き始め、
「この馬鹿」すぐにシドに殴られた。
「ふふふ、嬉しいわねぇ。こんなおばさんをつかまえて、もっこりだなんて」自分でおばさんとは言いながらその笑顔はとてもチャーミングだった。
「でも、ごめんなさい。私にはすでにお相手がいるの。
それよりお二人さん、お礼がしたいから家までついてきてくれないかしら?」
「もちろん、エスコートしますよ。マダム」
「お礼はともかく、馬車もあんなですし家までお送りしますよ」
そうして馬車に応急修理を施し、
すぐ近くだという彼女の村へと向かったのだった。




