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龍と魔法がありふれたこの地にて  作者: クラムボン美少女概念
黒の権能と死神
50/74

episode50

推測が確かな根拠を伴って確信に変わった時、多分脳内によくない成分がセルフで流れ込んで頭が悪くなる

木材を削って組み立てるときに1mmのずれなくカコッっという音を鳴らしながら嵌った時のような言葉にできない感覚だ、学者さんは人類の利にならない研究をするよりもこの感覚に名前をつけて欲しいレベルだ


「勝つって気持ちいね」


僕はもうレオらが王国領に入る前に銀翼魔術師団が間に合わないことを確信し、彼女たちの前に姿を現した


「まんまとやられた、まさか結界術が使えるとはな」

「生まれが少し特殊でね、結界術は結構身近だったんだ」


レオはこの旅で柔らかくなった、事情を話してくれることもあった

そしてレオが命を狙われる理由、それは自分の魔術で助けれる人間が死んでいた方が帝国にとって利益になるかららしい

しかし僕は銀翼魔術師団の隊長の言動からその動機には違和感を覚えた

そんな簡単に他人の命を奪える人間がわざわざレオを捕縛しようとはしない、手っ取り早く事故死が妥当だ

少し時間もあるため諦めた隊長さんに尋ねる


「なんで帝国がレオを狙うか教えてくれないか?僕らの仲だろ?」

「あまり部外者に知られるのは憚られるが…まぁいい、今回の勝者はお前だ、教えてやろう」


曰く、現在帝国の第三皇女殿下が不治の病に伏せているらしい、それでありとあらゆる病気を癒せる魔法を授かった巫女であるレオン・エンジムート、つまりレオの力が必要になったらしい

けれどその病は遺伝的な物でなので皇族にとっての不祥事になる、そのため表沙汰にはできない


それに巫女であるレオの価値は価値は非常に高い、事情を説明しても手を貸してもらえるかわからない、そこで身分を隠して留学中だったレオに直接頼もうと考えた


しかしあまり表舞台には出てこなかったレオの容姿の詳細はわからず金髪碧眼と言うことしかわからず、銀翼魔術師団の隊長格でも遠くから見たことしかない


八方塞がりの銀翼魔術師団にとって朗報が入る、レオが帰国するという知らせだ

レオの動向を把握し、直接頼む、断られた場合脅してでもついきてもらおうと思った矢先に聞こえてきたのはレオの乗っていた馬車が事故を起こしたという知らせ


巫女は神に祝福された生き物、死んではいないだろうと思い、おそらく冒険者を雇うと考えて包囲網を張った、最悪レオ以外の生死は問わないと指示を出し

そして今に至るとエアはルカに語った


「お忍びで留学をしているなら当然髪くらい染めて変装するか、確かにそうだな、今回の件は私…銀翼魔術師団一番隊隊長エア・ロードライクの独断だ、隊員たちは王女殿下を助ける一心で私についてきてくれた、彼らの忠誠を利用したのは私だ、全て私の責任だ、……しかしどうか王女殿下を…一人の女性を助けると思ってレオン・エンジムートに手を貸してもらえるように頼めないか、私ができることならなんでもしよう」


そう言いルカに頭を下げるエア、そんな姿を見た隊員たちは顔を真っ青にし、エアの元に駆け寄ってルカに頼み込んだり、一緒に頭を下げ始めた


「待て!隊長が悪いんじゃない!むしろ隊長の優しさを利用した私が悪い!私の首一つで許してくれ!」

「待てそんな話はしてないだろ馬鹿!…私たちも全財産を差し出す、厚かましいのはわかっている、しかしどうか頼めないだろうか…!」



命令されたわけじゃないのに上司のために全財産を譲渡できるとなんのためらいもなく言ってくれる部下を持つ隊長さん、そしてその彼らがそこまで慕う第三皇女殿下とやらはできた人間なのだろう

僕も真面目に対応をしよう


「どうか顔を上げてください、隊長さん」

「……?あ、あぁ」


「事情はわかりました、私からレオンに事情を伝えましょう、レオンも紳士なやつです、女性が困っていて自分に助けられるなら力を惜しみなく貸してくれるはずです」


レオの帰国理由も確か病気の王女様を治すためにだったはずだ、きっとあいつならそんなケチケチしたことは言わないだろう

もし国が許さないなら僕が攫ってやろう、ミリーも事情を知ればきっと手伝ってくれるはずだ


(何か忘れているような……あ、)


紋章集団と帝国は関わりはない、そして紋章集団の狙いはレオの命

そして紋章集団は銀翼魔術師団と違って王国領に入ったからと言って手出しをやめるとは限らない、それに話を聞くにレオの使用人などを殺したのは紋章集団だ


完全に見落としていた、わかっていたのにいつの間にか紋章軍団の件は片付いていて敵は銀翼魔術師団だけだと思い込んでしまっていた


(なんでこんな初歩的なミスをッ!?)


勝手にもう勝ったと思って余韻に浸っていた自分への苛立ちを感じる

もしあの化け物の完全体に遭遇した場合確実に全滅する、それに索敵を担当していたのは僕だ、気を抜いた瞬間に不意打ちを喰らえばそれだけで半壊する可能性がある


「隊長さん!僕を今すぐ王国領に連れてくことはできる!?」

「いや、私だけなら…しかし人一人連れて飛べる魔力は残っていない」


一人なら飛べないこともない、しかし人を連れて空を飛ぶのは単純に灰になるだけではない、魔力の消費量は数倍に膨れ上がるのだ


「魔力があればいけるんだな!?」


眼帯を外して魔眼に魔力を込める、宙に浮かんでいる無数の魔力の線から僕の魔力と隊長の魔力が宙で線を把握する、そして僕の魔力を隊長へ魔道具に魔力を込めるように繊細に魔力を譲渡していく


「ッ!?魔力が…」

「––急いでくれ!レオが殺される可能性がある!」

「……詳しくは聞かないが了承した、レオン・エンジムートに死なれると私たちも非常に困る、飛ばすぞ、舌を噛むなよ?」


エアは魔術で自分とルカを宙に浮かす

そして自分の部下にウインクして、空を飛び急いで王国領を目指した



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