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龍と魔法がありふれたこの地にて  作者: クラムボン美少女概念
黒の権能と死神
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episode46

宿から出たルカ達は馬車を走らせて西側の出口に向かった


「おっとそこの馬車止まってくれ、確認したいことがある」


街から出ようとしたところを守衛に止められた、無視して馬車を走らせることも可能なのだがそれをした瞬間にこの街の憲兵も敵に回すことになるため急いで馬車から降りる


「どうしました?」

「いやなに、帝国の御人から共同の捜索願いが出ててな、碧眼の男を探しているんだ、もしいるのなら少し時間をもらう必要がある」


「急いでるんですが…、それに碧眼なんてそこらじゅうにいるでしょ?」

「すまないな、かなり高貴な方らしく魔術で意識を……」


(まずいな…)


非常にまずい、なりふり構わなくなってきている

拘束された時点でおそらくさっきの隊長と呼ばれていた魔術師が出てくる、あれと正面から闘り合ってレオを逃がせる気が全くしない


(仕方ない…気絶させるか)


手刀で顎を掠めて気絶させようとした瞬間右腕が凍った

そして今の僕にとっては忌々しい純白の軍服が目に入る


「さっきぶりだな、どうした?なぜそんなにすぐにこの街から出たがるんだ?」

「…君がドタイプだから名残惜しいけど用事ができちゃって…ね!」

「大巌號!!」


ルカが右手の氷を破るのと同時にエアが土の上級魔術を放つ

しかしそれを馬車から飛び出したミリーが叩き落とす


「赤毛に銀毛、しかも名のある冒険者だな?」


エアの言葉を無視してミリーとルカが小声で会話する、そして作戦会議が終わったと同時にルカが大きな声で叫ぶ


「炎球ッ!!」


咄嗟のルカの魔術詠唱にエアが身構える

しかしブラフ、本命は懐から取り出した牽制用のカルトロップ(※西洋のまきびし)、しかもただのカルトロップではなくすでに魔術を仕込んでいたものでルカの鈴の耳飾りの音に込められた魔力に反応して土魔術が発動し、大量の棘がエアと馬車の間を割るように門を防ぎ、馬車に乗り込んだ


「チッ、面倒なことを」


エアが棘越しに風魔術で馬車の幌部分(馬車の荷台を覆っている布)を切り裂く

そして全員の中から碧眼の…レオを見つけて容姿を記録した


「やはり染めていたか、まぁいい、すでに包囲網は完成している」


長らく尻尾を掴ませなかった獲物の素顔や今ともに行動をしている冒険者の特徴までわかった、その事実だけで今は満足としよう










逃げおおせて開口一番ミリーは愚痴を吐いた


「あれはダメだ、黒曜族(リリー)だ、しかもあの森人と違う尖具合…純血かそれに近しいな、相手にしてらんねぇ」


黒曜族、どこかで聞いた名前だ、もちろんリリー様以外でだ

どこかの図鑑で載っていたような気がする


「黒曜族ってなんだっけ?」

「あれだよ、世界最優種族に数えられる種族の一つ、圧倒的な魔術の才に加え優れた知能をもつ魔族だ、それも黒曜族はリリー様の名を冠する種族だ、龍人、精霊に並ぶと言ったらわかるだろ」


言われてみればである、確かにそう書いていた

寿命は精霊と同じくほとんど無い物と等しいって書いてあったのが印象に残っていた種族だ


「まぁあいつは若いな、俺たちとまだ変わらんはずだ、もし数千年生きている黒曜族なら抵抗する間もなく殺されているはずだ」


ミリーは安堵する、エアが長くいきた黒曜族と違いまだ若く経験を積んでいないことに

しかしルカはそれどころではなかった


(……本気で名前聞いとけばよかった)


自分でも気づいていないが実はルカのタイプは自立した女性なのだ、自分を持った、どっちかというと自分が甘えれるような女性、もちろん相手にも甘えて欲しいが

しかし自分でも相手が敵であるということはわかっており、自分のタイプがどうのという低俗な理由で依頼主を危険に晒すことは決してない


「王都まであと馬車で二週間程度の距離、街には最低でも補給で一度寄らないといけない」

「……どのタイミングでよる?」


どのタイミングで寄るか、こいつは最も難しい質問を気軽にしてくるところが嫌いだ

しかしまぁ実質一択である


「最後の街は……」









棘の撤去をしながら部下に答える


「最後の街はイリオスだ、これは確実、あの眼帯の男が私の見込んだ通りなら確実にイリオスだ」

「なぜですか?」


自分の頭の中をどう部下にわかりやすく答えようか迷う


「まずあそこは王国の方に魔導列車が通っている、山を迂回する都合上三駅程度挟むが馬車よりも最低3日は早く王国に着く、その時点で私たちに二択を迫れる、そしてあそこは歴史的にみてもかなりの種族、民族が集まる街、青髪の男なんて数え切れないほどいる、紛れられたら探すのは少し骨が折れる」


そう考えていくあちらが主導を握れる駆け引きを最も多く行え、なおかつ物資が補給できる場所がイリオスになってくる

つまりこの戦いは私とあの白銀の眼帯の男の頭脳戦になってくるのだ


「クフフッ」

「……なんか不気味なくらい気分いいですね、そんなにあの男に綺麗と言われたのが嬉しかったのですか?」

「……いや、どうだろうな」


仕事中は真剣に仕事に取り組んでいるだけなのに怖い、冷酷無比、冷たいなどと言われプライベートでも男勝り、貧相、生意気と言われることの多い自分に面と向かって綺麗といった男なんてよくよく考えれば初めてだ

もしかしたらそんなしょうもないことで自分は浮かれているのかもしれない


しかし冷静に考えればこの興奮は久しぶりの好敵手の現れにだ

自分の不意打ちの氷結魔術を反射で致命傷を避け、しかもあの状況からまさか逃げ切られるとは思わなかった、反射神経、状況判断、メンタル、どれをとっても優れている


「さて、本格的に鬼ごっこを始めようか」


最終目標レオン・エンジムートの生け捕り、そしてそれ以外は邪魔をするなら生死不明を命じる

勝負は到着予想である3日後、イリオスの街でだ


エアは飛行魔術で先回りして一足先にイリオスを目指したのだった

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