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龍と魔法がありふれたこの地にて  作者: クラムボン美少女概念
黒の権能と死神
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episode44

魔術書、泣く妖精に叫ぶ妖精の紋章、終わりを告げる黙示録

前者は何を意味するかわからないが後者は確かリリー教の聖書に出てくる単語だったはずだ、終末論がどうとかの


「変質後確実に堅くなっていた、完全に変質後だったら剣が通らなかった可能性がある」

「あれって魔術か?」

「魔術だとしても禁忌だ、肉体や魂の人工的な変質はどの宗派でも許されていない」


魔術なら魔術師、そう思いスープを美味しそうに飲んでいるアンズに視線を向ける

しかしアンズは肩をすくめた


「魔術なんて起源魔術の四元素だけで森人(エルフ)の人生全てを費やしても到底覚えきれないほどの数があるのよ?それなのに起源魔術以外の、それも術式じゃなくて神話時代の語源の引用に紋様、只人(ヒューム)でまだ19年しか生きていない私にわかるわけないじゃない」


まぁ正論だ、魔導書や魔術書の数だけでも世界で数億を超えると言われている、さらに民族ごとの固有魔術や神話の引用など個人の解釈が持ち出されたら天文学的な数字まで膨れ上がる


「誰か敬信なリリー教の信徒いる?」


僕が全体に尋ねる、すると端っこでずっと考え事をしていたレオが手を挙げた


「……確か神が崩れた時、四人の騎士が息を吹き返し七つの災厄が世界に降り注ぐ、人は己の業を悔い改める間もなく滅ぶみたいな話だ」


確か世界二大宗教、リリー教とエリス教の二つの聖書には矛盾が無くそして互いの聖書に互いの神の名前が出てくるみたいな話を聞いたことがある

その話を踏まえた上でレオの話を聞くとどうにも信憑性が増して不気味に思えてきた


「…僕が寿命で死んでから世界が滅んでほしい」

「いやそれだとお前の子供が可哀想だろ」

「なら世界には勝手に滅んでもらったら困るな」


勝手に滅ぼうとする世界なんて迷惑すぎる、自覚が足りていない

僕が生きている世界ということをもっとしっかりと自覚してもらいたいくらいだ


「……宗教絡みは面倒だな、最悪リリー教を敵に回すことになる」

「もしかしたらエリス教、わんちゃん両方」


まぁそれは本当に最悪でしかない、そもそも神に禁じられているから禁忌なのだ、当然研究した時点で天罰が降る、まぁその天罰を下す存在が許可を出している場合はもう諦めるしかない、諦めは大事だ


「……おい、ルカお前肉食いすぎ」

「知らないね、食べ盛りなんだよ」


言い返すと足を蹴られた、できるだけ痛みが長引くように僕もミリーの脛を蹴り返す

何度か繰り返すとミリーも飽きたらしくこれからの予定を再確認し始めた


「あと2日程度でキリズに着く、そこが多分最後の休息と補給になると思う」


仕入れた情報によると西に進む僕らに対し帝国は王国の東側を封鎖するように目を展開し、僕らが通るであろうルートを全て潰している、キリズの街は北に逸れるため優先度は低くまだ帝国兵はいないはずだ、しかしキリズの街からは一気に帝国の目が増える


「俺とツネはレオの護衛で宿にずっと待機、他のメンバーでアンズは食料、オクズは火炎瓶とかの武器を、ルカは最初の予定通り武器の新調と情報を仕入れてくれ」



ちゃっかりと自分は宿で待機するという一番楽な役目を選んだミリーであったのだった、まぁ僕の勝手な理由での寄り道のため何も言えないが

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