episode41
一握りの砂宝石、僕がソロ時代に時々臨時で組んでいたパーティーでアヴァンギャルドの作ってからも助っ人で加わっていたほど親交のあるパーティーだ
しかし馬車の中で五人、そのうち僕と依頼主であるレオは言わば外様、長時間同じ場所に閉じ込められれば浮くのは僕らだ
「……どうした?」
暇すぎて正面に座っているレオを観察していると睨み返された
貴族特有の整った顔立ちで少しムカついてくるかもしれない、やっぱり男の美形は目に毒だ
(そうは言ってもこれから長いこと一緒なんだけども…)
いつまで経っても他人行事は少し面白くない、それに暇だ、暇なので少しコミュニケーションを取ってみる
「なんで命を狙われてるの?」
「……知らない方がいい」
「どれくらい動ける?」
「……人並みには」
「あぁ〜…、どんな女性が好き?」
「……お前に関係があるか?」
「やっぱ肉付きの良いむっちりした人とか?」
「…どう言う意味だ?」
睨み返されてしまった、どうやら好きな女性のタイプは言いたくないらしい
同業者相手には大体これと下ネタで話のネタには困らないため少し困ったことになった、僕はいつも男相手に何を話していたのか一切思い出せない
「おいおい、さっきから何言ってんだ?」
僕らのやりとりが気になったのか今まで理想のプロポーズの仕方を喋っていた男子代表であるミリーがきた
「ミリー、お貴族様は平民と口は聞きたくないらしいんだ」
「な…!?そんなことは言っていないだろ!」
僕の悪ノリをに面白い反応を見してくれるレオ
自分の態度をどう弁解すべきかどうかすごく迷っている
「す、すまない…そんなつもりはなかったんだ」
迷った末に素直に謝罪をするレオ
当然僕もレオのそっけない態度がそんな身分による物ではないのもわかっているしミリーも僕が冗談を言っているとわかっている
けど僕とミリーの悪ノリは止まらない
「謝罪よりもねぇ?」
「態度でなぁ?」
僕らの態度にレオは少し焦ったような顔をする
そして僕らの雰囲気を感じ取った他の男子2名が混じってくる
「あれだよなぁ!?」
「あ、あれとは…!?」
一人がポケットから小さなサイコロを二つ出す
冒険者は臨時で組むことが多くある、そのため自己紹介を兼ねてゲームをすることがある
これがそうだ
「「「「ドキドキ!性癖暴露ゲーム!!」」」」
「……え?」
意味が全くわからないとレオ、僕も初めての時は意味がわからなかった
しかし酒が入った時のこのゲームがバカみたいに慣れて面白いのだ、それに親交を深めるのに性癖の共有は最も手軽な方法だ
「まずお手本を見せるから見てて」
そう言って僕はサイコロを一つ振る
すると4が出た、それだけで男どもは盛り上がる、そして僕はもう一つのサイコロを振った、出た目は3
そして時計回りにサイコロを振っていく、そして最後のミリーの番になってようやく4よりも大きな数字が出た
「正直アヴァンギャルドのミスチー!タイプでした!踏んでぇ!!」
「きもっ!」
「終わってる!!」
「想像させるな!」
ミリーの暴露にみんながギャハギャハ笑いながら茶化す
これがこのゲームの全てだ、親となるサイコロよりも大きな数字を出した人間が性癖、好きな人、恋バナなどを暴露する
それだけのゲームだ
「わかった?」
「……え?」
ますます意味がわからないとレオ、しかしもうすでにみんなスイッチが入ったため逃す気はない
「まさかやらないとか言わないよな?平民の文化は御貴族様には合わないのかぁ?」
「まさかなぁ?そんな事ないよな!?」
「……え?そんな文化が…」
「あるんだよ!これがぁ!」
すでにアドレナリンドバドバの男三人に囲まれたレオ、助けを求めるように僕を見てくる、しかし僕は助ける気もない
サイコロを振って親の目を決める、2だ
「よし、次はレオからだ、ほら」
サイコロを渡す、状況を飲み込めない、いや飲み込みたくない、理解したくないレオが再度繰り返す
「……え?」
そしてそんなレオにコールを送って同調圧力をかけていく男衆
御者台に座っている砂宝石紅一点であるアンズはため息をつく
(どんな護衛任務だよ…)
命を狙われているはずなのに男衆はしょうもないことをして、ため息を通り越して呆れが勝つ
運よく1を出せたらしいレオに少し安堵しつつ馬を走らせらのだった




