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龍と魔法がありふれたこの地にて  作者: クラムボン美少女概念
青年期2
39/52

episode39

基本的に真の強者は冒険者にはいないと言われている

剣士としての一つのゴール、近衞騎士

魔術師としての一つのゴール、国家認定魔術師


多くの人間がこれ、もしくはこれに付随する騎士団や魔術師団に所属するのが目標となっている

なぜなら社会的にも経済的にも冒険者や傭兵よりも安定しているからだ


だから世論としては冒険者の扱いは騎士団の入団基準に満たしていない、人間性に問題があったりする人物の職業と思われている


「まぁ僕はそうは思わないけど」

「……知らん」


無視ではない、けど急に何を言っているのかという感じで返された

今僕はレオとミリーを連れて森に入っている、とある木の実を探してだ


「強さと一口に言っても星の数ほど種類がある、君が知っている騎士の中でこの木の実を知ってる騎士は何人いる?」


僕はそう言って目当ての木の実…ラプーの実を回収していく

レオは少し木の実を観察してから頭の中でこの木の実の名前を知ってそうな騎士を思い出す


「……ラプーの実だ、昔新人の騎士に教えてもらった」

「で、どんな実なの?」

「そのまま食べると渋い、しかし熟れたものを大量の砂糖と共にジャムにすると美味いと聞いた」


その知識があるってことはきっとその騎士は田舎出身なのだろう、こんな木の実都会の子は知らないだろうから、しかし実に騎士らしい木の実の活用方法だ、けどもう一つ、面白い使い方がある


「こっちにきてフードを外せ、面白い使い方を見せてあげるよ」


フードを外せという指示に一瞬抵抗感を見せたがミリーのさっさとしろという目線に負けて大人しく従うレオ、ミリーはまだ昼ごはんを食べていないらしいので少し機嫌が悪くなっているのだ


「まずラプーの実を魔術で乾燥させてからすりつぶし粉状にする、そしてそれを見ずに解いて温度をだいたい体温と一緒にする」

「……ッ!?」


レオの頭を少し後ろに引いて上を向くようにし、服や顔にかからないように気を遣いながら髪にラプーの実を溶かした溶液をかける


「ふふ、面白い反応するなぁ〜、そして色を落ちにくくするためにお酢をかけてその上から水で洗い流すと…」

「わ、私の髪が…」


先ほどまで綺麗な金髪だったレオの頭が、薄い水色のような色に染まった


「おぉ〜、おもしれぇな、けどなんというか…違和感がすごいな、もう少し綺麗に染めれねぇのか?レオが少し絶望した顔になってるぞ」

「大丈夫、あと数回繰り返せば綺麗な青に染まる」


本来だったら綺麗な青色に染まるはずなのだが設備が整っていないのとクリーム状にしてから髪に塗り込んでしばらく放置、最後に水で流して染めるという方法じゃなかったらという理由がある


「そ、そんなことを言っているのではない!!母から継いだ綺麗な金色だったのだ…」

「……?少しでも印象は変えたほうが良いだろ?」


全くもって意味がわからない、歩きながら話を少し聞いたが

今まで二度すでに刺客が送られて来ている、その際に護衛についていた騎士もレオを逃すために囮になったと言っていた、顔もしっかり見られている上に大体の所在地もバレてるはずだ


「けど…、す、すまな…すまない、私が間違えているのだろう」

「……あぁ!そう言うことか、これ時間が経てばちゃんと落ちて元の綺麗な金髪に戻るよ、植物由来の線量だから髪も傷みにくいから安心だしね」


僕がしっかり元の髪色に戻ると伝えると安心した様子を見せる、一度染めただけなのに一生髪色が変わるわけなんてないのに面白い貴族ジョークだ


「で、真剣な話をしよう、目的地まで大体二ヶ月近くかかるが…犠牲をどこまで容認できる?」

「……どう言うことだ?」


ミリーの言葉に意味がわからないという顔をするレオ、正直一番聞きたかった質問をしてくれて助かる


「レオ…ミリーはこう言いたいんだ、やろうと思えば護衛任務を確実に遂行できる方法がある、例えば町という町の馬を殺す、これだけで追手から距離を話せる、仕事に困った奴をレオに似せた格好をさせてデコイにしてもいい、そういう方法が取れるってことだよ」


「い、いや…そこまでは言ってねぇけど…」


そこまでは言っていないらしい、ミリーとレオから怖いなこいつみたいな目線を向けられて顔が赤くなる


「まぁルカの言う通りだ、そういう手段も取れるぞという話だ」

「……なるべく他人は巻き込みたくない、私のせいで人が死ぬのはもう…」


ちょっと暗い話になりそうなレオ

この空気を作ったミリーがどうすればいいのかと助け舟を目線で求めてくる


「……僕は金で雇われて死ぬつもりはない、つまり君のために命は張っても死んであげるつもりはない、わかったか?」


なんで僕は男を慰めているのだろうかと憂鬱な気分になりながらもそんなことを言えるような雰囲気と事情ではないので口を結んでおく


「……別にお前らなんかの心配はしていない!」

「人が慰めてやってるのに…!」


殺意が湧いた、何が嬉しくて男のツンデレなんていう劇薬を飲まされないといけないんだよ

僕はできるだけ長く、そしてできるだけ綺麗に落ちないようにと呪詛を込めながら綺麗に青色に染めてやった

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