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龍と魔法がありふれたこの地にて  作者: クラムボンのおにぃちゃぁん
青年期1
29/36

episode29

黄昏時、ルカが夕食を準備し終わったタイミングでミスチーがようやくルカの顔を見た


「終わった?ご飯できてるけど」

「九割終わった、……私が描いている間に何か狩ってきたのか?」


夕食の内容と膨らんだ荷物から何かを狩ってきたのだろう、あんな大物が近くを通ったら一般人でも虫の知らせがなるって言うのに、それほど没頭していたのだろう


「白銀熊だよ、肉は少しもらって後は売ろう、すでに腐らないように処理は終わってるから胆嚢と一緒に高く売れるはずだ」

「白銀熊か…、一度見てみたかったな」


あんなもの見たいと思う人間の方が珍しい、初心者からは出会ったら諦めろ、中堅は逃げる方法をマニュアル化してるほどの魔物だ、僕は慣れてるから戦えるけど熊を知らないとBランクの剣士でも大怪我を負う可能性がある


「そうか、熊の方もお前を見てみたかったと思うぞ」


主に珍獣として、しかしそんな僕の皮肉は通じずにどう言うことだ?という顔をされた


「さっき描いてたの見してくれよ」

「いいぞ」

「お、なかな……お?」


絵の描かれた水彩紙を受け取る、実際の景色とは全く違う色を使った画風、どこかで見たことがある気がする、実家に絵画なんて無い、蔵の方に眠っているかもしれないが少なくとも飾られてはない、シャルロットの家でも見た覚えはない


「…あ、アンデルセン」

「ギクッ」


母方の実家に飾られていた絵画の中にこんな独特の絵が飾られていたのを思い出す、そして子供ながらに覚えたその画家の雅号を口に出す


(ギクッって言った…)

(変な声出た…)


二人に沈黙が走る、そして沈黙を破ったのはミスチーだった


「……もしかして良いとこの生まれなのか?」

「血筋だけでみればな、実際には魔術すら珍しいレベルの田舎出身だけど」


母は辺境伯の三女、父は他国の騎士の家系、血筋だけ見たらまるで高貴なる血筋だ、まぁその実態は田舎の少し大きな家の長男だけど


「そう、知恵と美貌を兼ね備えた完璧盗賊は世を忍ぶ仮の姿、その実態は世界を放浪する天才絵描きだったのだ!」


ここまでバレたらしょうがないと意気揚々と名乗り始めたミスチー、きっとここにロララがいたら良い反応をみしてくれたのだろうに


「絵描きとして危ない場所を歩いていたら自然に盗賊としての実力がついてきたんだ」

「へぇ〜」


不自然な実力のつき方の理由を知って少しスッキリした所でミスチーがリュックからカードを取り出した


「ついでに私の趣味はカード占いだ、少し占ってやろう」

「魔法?占いは信じない性分だけど…」


魔法なら納得がいく、けどそれ以外の占いならそこまで信憑性を感じられない、シャルロットが一時期ハマっていたが一度も当たったことがないからだ


「いや、私は精霊とは契約していないし魔術の真髄に至ったこともない、けど私の占いはなかなか当たるぞ」

「う〜ん…、ならお願いします」


決断の際にまじないごとで決めるのは気乗りがしないがこういう何もない時に占いに付き合うくらいなら別に良いだろうと思い頼んでみる

すると慣れた手つきでカードを混ぜ始める、そして指示の通りにカードを引いていく


「『知の書物』『聖女』『石の竜』」

「で、それから何がわかるの?」


僕が引いた3枚のカードを見て神妙な顔つきのミスチー、どこか本気で相手を信じさせれそうな気迫を持っている


「……迷いの精霊に好かれているな、けど巡り合わせ自体は悪くないから避けられないことはない」

「ふ〜ん」


やっぱり抽象的だ、けどまだ解釈の仕様があることを言うだけマシだろう、こちらはいくらでも好意的に受け取れるのだから


「焦らない方がいい、怪我は治る、お前の性格なら大丈夫だ」

「怪我…?」


怪我なんて日常茶飯事とは言わないが珍しくもない、死んだと思った大怪我でも生きてたこともあるのに今更治らない怪我なんてあるのかと思うルカ


「…あれ?お前まさか…!」

「ふふ、だから言ったろ?私は…天才なんだって…」


すぐそこにあいた酒瓶、当然僕は飲んでいない、つまり目の前の人間が飲んでいたのだ、きっと僕が絵を見ている時に飲んだのだろう、よくよくみれば顔が赤くなっている


「人が真剣に聞いてやってたのに!僕の純情を弄んだな!この酔っぱらいが!」

「あ、あと…レイトンってやつが……犯人だぞ…」

「は…?何の……」


急に犯人だとか言われて理解が追いつかなくなる、けれどどこか覚えのあるレイトンという名前、そして今朝の出来事を思い出す、僕が呼んでいたのは推理小説だ、そしてこいつは僕が準備をしている間にかなり最後の方まで読んでいたはずだ


「この酔っ払いが…!推理小説のネタベレなんて…!!どうしてそんな酷いことができるんだよ!!」

「揺らッ、…うぷっ…」


肩を掴んで重いっ切り揺さぶるルカ、しかし嫌な予感がして咄嗟に後ろに下がる

予想通りのことが起き、ルカの魔術が活躍することとなった


後日、ロララに水晶占いを披露しているところを見たのだった

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