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龍と魔法がありふれたこの地にて  作者: クラムボンのおにぃちゃぁん
青年期1
24/36

episode24

この港町にきて二年近く経った、借金を返済した今でも時折オオナの親分あたりの人と会うことがある


「で、最近の進捗は?」

「な、なんだ、急に…、普通だよ、ていうか君はイルカと会ってないのか?」


今日は久しぶりにオルソと飲む予定だったのだ、正直オルソがいなければ一人でも飲んでたけども


「最近イルカと喋ってないよ、それよりどうなんだ?商人としての勉強は?イルカは恋愛への興味は持ったのか?」

「父さんの下で今色々学んでるところ、イルカは…花より団子って感じ…」


ちなみにオルそはイルカが好きなのだ、イルカの方は恋愛のれの字も感じさせないけども


「そっちこそパーティーメンバーとの関係は?先月あたりに一人増えたんでしょ?」

「……ちょっとストレスで不眠気味、だから今日はいっぱい飲むんだよ!!」


一気に酒を煽る、うちのパーティーは少し大きめの家をパーティー名義借りて一緒に住んでるんだけど基本的に料理、洗濯、掃除に加えて仕事の方ではギルドへの報告と他パーティーとの情報交換、仕事で必要な知識を調べたりと普通に僕の仕事量が多すぎる


「「はぁ…」」


ため息が重なる、実力自体は二人ともある、威力の高い上級魔術を連発できて尚且つ魔力量も圧倒的な魔術師に戦闘面ではそこまで頼りにならないけど索敵から罠解除までお手のものの盗賊、欠点こそ目立つが二人とも一芸が優れているのだ


「……僕ってリーダーの素質ないのかな?」

「いや、あの頭おかしい子の制御ができるのはルカしかいないから安心して」 


こうやって僕をこの街で慰めてくれるのはオルソだけだ、いやそんなことないけど友人としてこうやって一緒に酒を飲んでくれるのはこいつだけだ


「夜ご飯に鶏肉のソテーを作ったのにさぁ!?チビは魚が食いたいって駄々を捏ねるし盗賊の癖して騎士道女は鳥と魚の両方食べてからシチューが食べたいとか言い出すし!」

「で、結局作ったのか?」

「作ったよ、クリームシチューを、わざわざ材料を買ってきて、なのに出来上がった頃には二人とも寝てるし…」


ちなみにルカは酔うとダメなタイプだ、酒に強いのだがテンションが若干高くなる、そんなルカのことをオルソは将来酒で失敗するタイプだと思っている


「今日は僕の奢りだ!!二件目行くかぁ!」

「良いけど…」


少し肌寒い夜の街を歩く、オルソは普段決まった店でしかご飯を食べないタイプなのでこうやってルカに連れ回されるのは嫌いではない


「ここ、少し前から気になってたけどタイミングがなかったんだよね〜」


そう言ってルカが案内したのは少し大人な雰囲気を持つお店、簡単に言えば可愛い女の子とお酒を飲むお店だ、当然オルソは動揺する


「い、いや、僕らはまだ15歳、こういうお店は早いんじゃないのか!?」

「成人してるから早くないって、それに何も娼館じゃないんだ、そんなに緊張しなくていいよ」


オルソはかなり奥手の性格だ、計算上押せばいけるであろうイルカに対してずっと微妙な距離感を保っている、それもまた良いと思ってるのだが


「最近冒険者仲間に教えてもらったんだよ、ここではどんなダメ人間でも可愛いサキュパスの女の子がひたすら肯定してくれるらしい、大丈夫だ、オルソは一人じゃ入りずらい僕がこの店に入るのに付き合ってもらっただけ、な?友達を助けると思ってさぁ?」


「ま、まぁそれなら良いけど…絶対イルカに言うなよ!?そしてもしバレたら君が無理やり連れ込んだと言ってくれよ!?絶対だ!いいね?」

「わかったって〜」


(チョロ…)


店に入ると清潔感のある大人のお姉さんが迎えてくれた、なかなか高級感のある店内で少し安心する、魔族は基本的に絶対数が少ないからエルフや獣人と違ってあまり見かけたことがなかったのだが想像通りで解釈が一致する


「いらっしゃいませ、当店の仕組みはご存知でしょうか」

「いえ、初めてなんで」


多分このお姉さん強い、目が怖い、いや美人が怖いだけかもしれない


「ではご説明させてもらいます、当店はまず最初にコースをお選びいただきます、二時間コース、四時間コース、六時間コースの三つです、次にキャストの指名でございます、初めてのお客様であれば特に希望がないのであれば、どのような女性が好みか教えてもらえればこちらでおすすめのキャストを付けさせていただきます」


丁寧に説明をしてくれていたお姉さんの目が急に怖くなる


「次に注意点のご説明をさせていただきます、当店は原則キャストへの接触、プライベートの詮索、怒鳴る、脅す、暴力行為などに対しては厳しく対応させていただきます」

「「は、はい!!」」


背筋が凍った、違反行為をするつもりは一切ないが心臓が止まるかと思った、けどそれさえ守れば楽園なのだ


「四時間コースを二人分キャストのタイプは…僕を肯定してくれるならなんでも良いです、あ、あと彼の分は僕が払います」

「わかりました、では身分証の提示をお願いします」


結構厳しい店らしいので予想通り身分証の提示を求められた、問題起こした時用に確認しておくらしい


「冒険者タグで良いですか?」

「はい、……ルカさんですね?」

「合ってます」


こう言う時にランクと名前を証明してくれる冒険者タグはものすごく便利だ、首から常にかけてるからパッと出せるし何よりランクに応じて信頼度が上がるからお金が払えないという心配がされない


「確認が完了しました、では番号札に対応する個室でお待ちください、ようこそ、『夢の館』へ」


お店のお姉さん微笑んだ瞬間に豊満な花の香りが辺りを漂った



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