episode23
馬鹿げた威力の爆炎、先手を取るために曲がり角の近くで奇襲をかけたおかげで回避できたけどもしこれが一本道だったら大怪我では絶対に済まなかった状況だ
「殺すきかぁ!?迷宮内で大規模な魔術を使うなって何度言わせれば済むんだよ!!このクソロリが!!」
「なぁ!?人が気にしてることを!!」
こいつなんてクソロリ呼ばわりでいい、これで三度目だ、迷宮内で大規模な魔術を使うなんて自殺行為すぎる、壁は崩れるし炎系統の魔術だったら酸素がなくなって死ぬ、こいつがこんなのだからウチのパーティーは迷宮探索ができないんだよ
「それにド派手は魔術での殲滅が魔術師の華でしょうが!それをチマチマした魔術を使えなんて…、魔術師になった意味がないじゃないですかぁ!」
「あぁ!、僕の綺麗な銀の髪がぁ〜」
「嘘つくなぁ!それを銀と呼ぶのは詐欺ですよ!せめて白でしょ!」
髪が少し焦げてる、せっかくの銀髪が勿体無い
「てか君もなんで自分は関係ないみたいな顔してんの!?」
魔物相手に名乗って、しかも短剣を直剣みたいに正眼に構えていた問題児、盗賊ミスチーに文句を言う
「盗賊なんだからもっと不意打ちしたり後ろ取ったりとかさぁ!?なんでノコノコ正面から出てくるの!?奇襲をかけたりとかあるじゃん!?」
「なッ!?なんて卑怯な!?」
(だ、だめだこいつら…、まともなのが僕しかいない…)
片方に至っては僕よりも10も年上なのにこれだ、もっと年上の包容力のあるお姉さんが欲しいのになんでこんな問題児しか集まらないんだ?
「はぁ…、まぁいいよ、さっさと進もう、……ロララ、次本当に上級魔術を使ったら家から追い出すよ?」
「ふふん!やってみると良いですよ!」
なぜか挑戦的な姿勢のロララの尻を叩く
しかしこうやって戦闘面を除けば優秀な盗賊だ、罠だって一度も作動させていないし道を間違ったこともない、鍵を開けるのも失敗しなかったし、接敵だってさっきの一度だけだ
そう考えると優秀だ、魔物に名乗って盗賊なのに卑怯がどうとか言うこと以外は
「……おい、僕の背中から降りろチビ」
「嫌ですね、足が棒になりそうです」
「普段引きこもってばっかりだからだよロリニート」
真剣な表情で先行して安全を確保している人間がいるのになぜコイツはこんなに身勝手なのだろうと思いながら背中の重りを退けようとするが強情にもへばりついてくる
そうこうしているうちに4階から5階への階段にたどり着いた
「おそらく下に1パーティー潜っているな、五人だ」
「す、すごい…」
多分足跡とかその辺りからの痕跡から推測したのだろう、けどそれができる域まで達しているのにあの戦闘面はなんなのかが全くもって理解できない
「まだ潜って2時間弱…このペースだったら6階の階段を見つけて地上に帰るまで4時間切れるな…」
自信満々で宣言するミスチー、けれどそれを僕は止める
「いや、引き返そう……疲れた」
大体の実力はわかった、確かに問題点はあるがBランクパーティーに入って遜色ない実力だと思う、だからもう帰りたい、厨二病のせいで本当に疲れた
「えぇ〜!?ようやく冒険が楽しくなって来たばかりなのに!」
「これ以上潜っても宝箱の回収や魔物討伐をしていなんだ、つまり金にならない、実力は測れたから帰りたいんだよ…」
昨日まで僕はソロで違うパーティーのサポートに回っていたから疲れが溜まっているのだ、もう本当に帰りたい、金にならないのにもうこれ以上頑張れない、帰れるのならロララがもう一人に増えようと構わないレベルに疲れている
「つ、つまり合格でいいんだな!?」
「うん、もういいよ合格で、それで良いからもう帰って寝たい…」
喜ぶミスチーとそれに先輩風を吹かしているロララを放置して僕は引き返したのだった




