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龍と魔法がありふれたこの地にて  作者: クラムボン美少女概念
少年期後半 青年期0
19/52

episode19

イルカの祖父オオナ、この船の船長で村の男衆でもトップに立っている海の漢、漁師としての腕前も見事で長年の経験と勘で毎年この時期になるとする遠洋漁業で大漁らしい


「救助費、食事代、応急処置代、もろもろ合わせて金貨3枚だ、まぁ当然払えんだろうから代金分働いてもらうことになる」


彼らにも生活がある、人を助けるのにも労力や物資がかかるのだ、当然ボランティアというわけにはいかない、こうやって善意には態度を示さないといけない

僕は用意された書類に名前を書き、血判を押す


「思い切りがいいな、俺は長いこと漁師やってきたがたいていのやつが躊躇うか駄々をこねるぜ?」

「問答無用で借金奴隷にされないだけマシですよ」


恰幅の良いイルカのおじいちゃんとやら、里の戦士でもここまで恵まれた体をしている人間はいなかったと思えるほど体が太い、当然太いと言っても脂肪ではない、筋肉で太いのだ、身長も2mあるかもしれないほどだ


「シーアに戻れば神聖魔術の使える人間がちらほらいる、金はかかるがほの見てるこっちが痛くなる怪我も治してくれるはずだ」

「そうさせてもらいます、…で、僕は何をしたら?甲板掃除ですか?料理も一応できますが見たことない食材ばかりなので先ほどご馳走させてもらったモノ以上のものは作れないと思いますよ」


金貨3枚だ、小狗竜を大体20匹分のお値段、食費や宿代の生活費を除けば大抵の人間(最低限の教育を受けた者)が一週間程度で稼げる金額だ、そこそこの大金であるためすぐに返していきたい


「お前その怪我で働くつもりなのか?」

「左手は動きますよ、それに脇腹は固定したおかげで痛くないですので掃除くらいならできます」

「そ、そうか」


若干引いているオオナから任された仕事がこれだ


「『氷結』」


揚げた魚を釣った魚を口頭で教えられる簡単な初級水魔術で冷凍する、簡単な仕事だ、簡単なのだが単調なことと普通にこの部屋が死ぬほど寒いのと魚臭いのがキツイ


「しかし何回見ても強烈な顔してるなぁ〜?お前は」


目の前の氷漬けにされた魚に問いかける、名前はカイエンドウ、体長は大きいもので5mほどあることもある立派な魚の魔物だ、食用だけども。

食用と言っても弱いとかではない、その闘争心の高さは凄まじく体当たりで中型程度の船であったら沈むことがあるとかないとか釣り上げようとした漁師を逆に海に引き摺り込むとか込まないとか

けれど大型の船、そして力負けしないのであればカイエンドウはすごく高く売れるカモでしかないらしい、現に上にいる二十人程のムキムキ海の漢集団は一匹金貨20枚くらいするカイエンドウこれでもかと釣り上げている


「お前たちの顔見飽きてきたよ、はぁ…人の顔が見たいなぁ」

「おい、目の前にいるだろうが、ご希望の人間が」


メガネの少年…名前はオルソ、ちなみに奥の方でイルカもカイエンドウと睨めっこして遊んでる、二人は自動氷製造マシーンとして船に乗っているらしい、まぁ二人が希望してのことらしいが


「男の顔なんて目に毒だよ…」

「悪かったな、野郎で」


メガネくんは非常にめんどくさい性格をしている、口では悪態つくし僕のロケットペンダント盗もうとするけどこうやってわざわざ僕の目の前にきてさりげなく仕事の手順を見せてくれているのだ


「で、さっさと続きを話せよ」

「うん、…どこまで話したっけ?」

「今は小狗竜の習性についてだ」


港町育ちの彼にとって森に生息している小狗竜は図鑑の中や冒険者の話でしか出てこない生物なのだ、それ以外にも僕の住んでいたところの話は中央大陸の人間にとったら暇つぶしになるらしい、だから僕も暇だから豆知識などを話してあげている、美味しい木の実の見分け方や川魚の美味しい焼き方とかを


「あとはそうだな、消えた旅人のおっぱい事件でも話そうか」

「––おっぱぁッ!?」


林檎の里は蜂蜜とか林檎の特産地である、そのため年に三人程度観光客が来るのだがその中でも印象に残った旅人の話をしようと思った瞬間上で釣りをしていた漁師から今日は終わりと告げられた


「ふわぁ〜!、疲れたね」

「おい、ちょっとまてよ、その話だけでも聞かせろ」


僕を必死に引き留めようとするオルソを放って部屋から出る、僕も話したかったけどもうご飯の時間と言われたのだから仕方ないのだ

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