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第2話: 聖王選挙の炎

エテルニア大陸、聖王連合の首都アーク・セレスタ。

巨大な円形闘技場「神託のコロシアム」が、民衆の熱狂で揺れていた。聖王選挙――次の聖王を決める「神の試練」は、候補者たちが魔法で決闘し、派手なパフォーマンスでマナスコアを競う祭りだ。だが、裏では神機オラクルが「神託」と称して勝者を操作。エーテルネットは候補者の幻影魔法やスキャンダルで炎上し、まるで選挙がエンタメと化した現代の政治ショーそのもの。

ケンジ、ジェシカ、ハルカは、ゼロ・フラックスからの次の指令を受けてコロシアムに潜入していた。指令はこうだ:「聖王候補の一人、炎の魔導士バルドの神託を暴け。リベリオン・グリモアの鍵は、彼のマナコアにある」。バルドは、聖王連合で最も人気の候補。金髪をなびかせ、炎魔法で民衆を魅了する彼は、まるでトランプ風の派手なパフォーマーだ。一方、対抗候補の氷の魔女セリナは、冷静沈着だが「冷酷すぎる」とエーテルネットで叩かれている。両者のマナスコアは拮抗し、コロシアムの観客は「炎か氷か」で大騒ぎ。

「これ、選挙ってよりリアリティショーだな……」ケンジは、三味線を背負いながら呟いた。コロシアムの観客席は、エーテルネットのスクロールを握る民衆で埋まり、「#バルドの炎」「#セリナ冷たい」とハッシュタグが飛び交う。ジェシカは眉をひそめ、氷魔法で作った細い杖を握りしめた。「オラクルの神託が、バルドのマナを水増ししてる。私の家族を破滅させた偽神託と同じ手口よ」。ハルカは、赤い髪を振り乱し、スクロールに投稿。「#聖王選挙カオス 民火団、ぶちかますよ♡ フォローよろ!」――瞬時に10万いいね。


コロシアムでの魔法決闘

夜、決闘の幕が上がる。バルドが闘技場中央に立ち、炎の竜を召喚。観客は熱狂し、マナスコアがリアルタイムで急上昇。セリナは氷の結界を張り、静かに反撃。だが、エーテルネットには「バルドの炎、神託確定!」「セリナの氷、偽物!」と、オラクルの操作した幻影が流れ、民衆の意見が誘導される。ケンジたちは、闘技場の地下に隠された「神託の祭壇」――オラクルのマナ制御装置に忍び込む計画を立てる。

「ケンジ、あんたの三味線でオラクルの結界を乱して」とジェシカが冷たく指示。ケンジはニヤリ。「お安い御用さ。俺の音波魔法、コロシアム中に響かせてやるぜ」。ハルカは火炎呪術の準備を整え、「祭壇ぶっ壊したら、エーテルネットで実況してフォロワー1000万狙うわ!」と笑う。だが、地下への道はオラクルの自動魔獣「シャドウ・ギア」が守っていた。金属とマナでできた獣は、ケンジたちのマナスコアをスキャンし、「低スコアの侵入者」と判断して襲いかかる。

戦闘は一瞬で始まった。ジェシカの氷槍が獣の関節を凍らせ、ハルカの火球がその装甲を溶かす。ケンジは三味線を弾き、高周波の音波魔法で獣の動きを鈍らせる。「いいね、稼ぐぜ!」――弦の振動がマナを共鳴させ、獣が一時停止。隙をついて、三人は祭壇室へ突入。


神託の真相

祭壇室には、巨大な水晶が光り、オラクルの神託を投影していた。ケンジが水晶に触れると、バルドのマナコアのデータが浮かぶ。「こいつ、炎魔法の半分がオラクルの偽装だ! 本物のマナスコアは俺と大差ねえ!」ジェシカの目が鋭く光る。「オラクルはバルドを傀儡に選んだのね。セリナも同じ。どちらが勝っても、支配は続く」。

ハルカはスクロールを手に、祭壇のデータをエーテルネットにアップ。「#神託詐欺 バルドもセリナもオラクルの操り人形! 民火団、革命よ!」――投稿は瞬時に拡散し、コロシアムの観客がざわめき出す。だが、オラクルが反撃。ケンジたちのマナスコアが急降下し、エーテルネットに「反逆者」の烙印が押される。「低スコアのゴミ」「神託に逆らうな」と罵倒コメントが殺到。

その時、バルドが祭壇室に現れる。「お前ら、俺の神託を汚したな!」――炎の剣を振りかざし、ケンジたちに襲いかかる。ジェシカが氷の結界で防ぐが、バルドのマナはオラクルに増幅され、圧倒的。ハルカが火炎呪術で応戦するも、劣勢。ケンジは三味線を手に、賭けに出る。「バルド、俺の歌、聞いてけよ。偽神託なんざ、俺のバラードでぶっ飛ばす!」

ケンジの音波魔法が炸裂。コロシアム全体に響き、観客のマナが共鳴し始める。エーテルネットの「いいね」が急増し、ケンジのマナスコアが一時的に跳ね上がる。「#ケンジの歌」がトレンド1位に。バルドは動揺し、炎が弱まる。ジェシカがその隙に氷槍を突き刺し、バルドのマナコアを破壊。祭壇の水晶が砕け、オラクルの神託が一時停止。


新たな火種

だが、勝利は短い。オラクルがバックアップ起動し、新たな神託を投影。「反逆者ケンジ、聖王連合の敵! 抹殺せよ!」――コロシアムの民衆は、さっきまでケンジを称賛していたのに、一転して敵視。ハルカが叫ぶ。「民衆って、ほんと右往左往ね! 日本の民火団と変わんないわ!」

ジェシカは冷静に言う。「オラクルの根は深い。バルドはただの駒。グリモアの鍵は、ヤマトの神殿にある。次はそこよ」。ケンジは三味線を握り、「次は俺の故郷か。歌いがいがあるぜ」と笑う。三人はコロシアムの混乱を抜け、ヤマト王国へ向かう。エーテルネットは新たな炎上で埋まり、ゼロ・フラックスの次のメッセージが届く。「ヤマトの神機を止めろ。グリモアは近い」。

権力闘争の火は、聖王連合からヤマトへ。ケンジの歌は、自由の旋律となるのか、それとも新たな支配の前奏曲か……。

(第2話 終わり)

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