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家出少女たち、そして大問題発生?!

好条件過ぎる内容で家出少女たちが住む予定の避難女。(ヒナンジョ。)という施設の管理人を引き受けた俺だったが、右も左もわからない状態で引き受けたことに後悔していた。


そもそもどんな子たちが来るのか、何もわからない管理人として彼女たちに何をしてあげられるのか、同じ施設に住むということは未成年者と同居するのと同じでは?


なんていう疑問が頭の中を駆け巡っていた。「まぁ、なんとかなるか」と考えながら管理人室で眠りについた。

翌日のこと…鳴り響く聞き覚えのないサイレンのような音で目が覚めた。


「うるさっ…何時だと思ってんだよ…」と携帯を確認すると朝方と言っていいのか迷うくらい暗い5時前だった。サイレンのことはあの男からは何も聞いておらず、その時の俺はなぜなったのかすらわかっていなかった。


とりあえず客人が来た可能性を考えた俺は施設の唯一の出入り口へと向かうことにした。管理人室から歩くこと数十秒、出入り口に着いた時、暗くてよく見えはしないが人らしいものが数人立っているのが見えた。


客人だと思った俺はあの男から渡されていた鍵を使い、出入り口を開けた。すると出入り口が開くと同時に施設内の証明が自動的につき、暗くてよく見えなかった人らしきものがようやく完全に人だと認識することができた。


出入り口にはスーツ姿の男一人と家出少女と思われる高校生くらいの女の子が3人立っていた。女の子たちは偶然と言っていいのか迷うほどに似たような子たちばかりだった。

沈黙が少しあったあと、スーツ姿の男がこう言い放った。


「管理人さん?カンザキから話は聞いています。私は政府の人間、家出執行人のクロサキです。家出少女たちを連れてきましたのであとはお願いします。


そう言って息もつく暇もないくらいかのようにクロサキと名乗る男は去っていった。


「えぇ……、あとはお願いしますって、この子たちの事前情報何もなしかよ……ったく適当だなぁ…。」そうぶつぶつと言う俺に対して家出少女の一人がこう言った。


「あっ、あのっ!……私、家出しただけなのにこんなところに連れてこられて……な、なにかされるんでしょうか…?正直、怖い……。」


立て続けにもう二人の子たちも同じようなことを言った。ま、当然といえば当然。自由を求めて家出をしたのにいきなり家出執行人に自分の家に連れて行かれ挙句の果てに知らない施設で住むことを強要される。


この上ないくらい怖い状況…。俺が家出少女側の立場だったら死を覚悟するかもしれない…。

不安がる少女にまずは安心できることをすることをしてみることにした。


「怖い思いをさせてごめんね、ここは家出執行法によって家出を執行人によって執行された家出少女たちが住む場所、ヒナンジョ。だ。心配になる気持ちは痛いくらいわかるけど、ここは安心して住める場所だよ。」


言うだけでは信じてもらえないだろうと思った俺は行動を通して彼女たちに信じてもらうことにした。まずは施設の案内、規則や高校生くらいの年代の少女たちが惹かれるだろうものを用意してなんとか少女たちの不安をかき消そうと努力した。


すぐに不安がかき消されるなんて思っちゃいない。時間をかけてゆっくりと不安をかき消せばいい、そう思った。

そうしてるうちに時間はたち、気づけば空は明るくなっていた。


時刻は朝の8時。面接は朝からやってほしいとカンザキからいわれていたため、眠そうに目を擦る3人の家出少女たちを横目に一人一人管理人としての初の面接を行うことにした。大問題発生まであと1時間を切っているなんて思ってもみなかった。


面接の順番は特に指定されていなかったため、一番最初に話した子から始めることにした。その子を面接部屋に呼び、面接を始めた


「ではこれから面接を始めます。緊張するかもだけどリラックスしてなるべく深く考えずに答えてください。まずあなたの名前と年齢は?」


そう聞くと彼女はゆっくりと口を開きました。「カタオカ ユイ、です。年齢は16歳です。高校1年になったばっかです。よろしくお願いします。」


話すスピードは少し遅いが、受け答えはしっかりとしていることに少し俺は安心していた。


「面接って言っても聞きたいことは一つだけです。なぜ、家出したの?その理由を聞かせてほしいな。」


そう俺が聞くとユイちゃんは少し黙ったあと、ぽつりぽつりとその理由を話し始めました。「理由は…、自分の家なのに居場所がなくて……そう思う理由もちゃんとあって…私…いらない子、なんです。」


うっすらと涙を浮かべながら話すユイちゃんが言う、いらない子。俺はなぜそう思うのかを聞いてみた。すると……。


「私には妹がいるんですけど、誰が見てもわかるくらい私と妹では接し方が全く違うんです…。だから私はいらない子なんです。」


(このようなパターンの場合って外面を気にする親が多いから人前ではそういう態度にならない、という内容のテレビ見たことあるような…?)

 

もしくは何らかの理由があってわざとそういうことをするパターンも。続けてユイちゃんは話します。


「だから自由になりたくて……、それで家出をしました。けど、家出してすぐにクロサキさんって方に捕まって家に帰らさせられる、って思ったら家族と縁を切らされて……。それでここに連れてこられて今に至るって感じです。」 


ニュースで言っていた家出執行後の一切の関与を認めない、というような言葉。縁を切らされている時点で何があろうと関与できないのでは?なんて思っていた。


俺はそう話し終えたユイちゃんにこう言った。「わかりやすく話してくれてありがとう。以上で面接を終わります。何か質問はある?」


と、その時だった………!施設内にジリジリジリジリジリ……という鼓膜が破れそうなくらいうるさい音が鳴り響いた。よく聞いているとその音の後にこう続いていた。


「ジリジリジリ…脱走!脱走!出入り口より1名脱走!」脱走?!と思っていたら携帯が急に鳴り、画面を見るとカンザキからです。

このことを伝えようとすぐに電話に出ます。


「あっ、も、もしもし?!カンザキさんですか?なんか警報音みたいのが鳴ってるんですが、これってど、どうしたらいいですか!?」慌てふためく俺にカンザキはこう言い放った。


「やはり、そうでしたか…こちらにも警報はきています。どうやら出入り口には鍵はされていたようですがその鍵自体が壊されているようです。すぐそちらに向かいます。」


そう言って電話は切れてしまった。慌てふためく俺に淡々と説明するカンザキ、脱走した少女は大丈夫なんだろうか…。


次回、脱走した少女の意外な脱走理由が明らかに?!


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