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本編四話

 カラメラを視界に収める頃には全身から汗が溢れる様に流れ、ドレスの色が変色していた。時間としては1分にも満たない時間であったが、相当の集中と労力を伴うものであったのだろう。

 少し離れた位置から見ていると、ダークトロールが合流してきた。傷が癒えたばかりのせいか動きは決して良いとは言えない。それでもカラメラは多少なりとも余裕ができたのか、魔物に渾身の一撃を加えることに成功した。胴を切り裂く深い一撃、これに初めて魔物は命の危機を感じたのか、背中を見せ距離を取って逃げようとしている。ダークトロールはこれをさせまいと魔物の足に組み付く。魔物はひどく動揺した様子であった。なりふり構わないのか、ダークトロールに組み付かれたまま、逃げるために翼を用いて飛ぼうとしたのだろう。必死に背筋を動かしている、しかし一向に飛ぶ気配はない。それも当然だ、なぜなら既に背中にはカラメラが乗っており、全て切り捨ててしまった。事態を把握した魔物は咄嗟に暴れ彼女を振り落とす。加えて落下する彼女に対し勢いよく炎を吹き当てる。轟音豪熱、直撃した彼女を一瞬で火達磨にした。

 このままでは炎は皮膚を焼き、筋肉を焦がし、体の動く機構を失わせる。命も間も無くといったところだろう。そう誰もが考えるのは至極普通、まともな考えであるだろう。この場合まともでないカラメラという一点を除けばという条件付きだが。

 火達磨は地面までに体を捻り、武器を構えなおしながら着地する。そして回転しながら炎切り裂くように、魔物に飛び込んだ。炎のほとんどはドレスと共に素早い回転により体から払われ、二つのフランベルジュに燃え移る。魔物が一連の動作に対応することは叶わない。一瞬の斬撃、剣筋に残る双の焔が結果を伝えていた


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