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小学生の頃は良かった。
男女の壁が薄かった子供の頃は色んなところを色んな友達と冒険した。
思い出を詰めるポケットは一杯になって、ゴミ箱にすら宝物が入っていた。
今はどうだろう?
私が毎日履いてるスカートにはそもそもポケットなんて付いていない。子供の頃の幻想だったんだって。
今でも反芻するように懐古する。
いつまでも子供のままでもいられない。でも、大人と呼ぶには幼すぎる。
男と同じようには生きられない。でも、女として生きるにはまだ何かが足りない。
私はそんな白線の上を歩いているんだ。
真っ白な私にはそれがお似合いだった。
そう、お似合い『だった』のだ。