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14p

 

 6月29日。彼が来て9日目。

 彼が消えた。学校から帰り、彼の部屋を覗くとそこに彼はいなかった。何処かへ出かけたのかとも思ったが、夜になっても帰って来なかった。

 悟った。

 多分、あそこだ。彼と約束したあそこ。

 



 *ここからは、母さん達への伝言なので、きっちり読んでください。




 このノートを広げてリビングに置いていくなんてことはこれまで無かったと思いますが、『此処』に書くべきことだと思ったので、書きます。ただ、恥ずかしいので、他のページは開かないでください。ここには思春期真っ盛りの私の黒い悶々が書き綴られています。何故、そんなものをリビングに置いていけたのかは、あなた達を信じているからです。信頼しているからです。


 私は、彼を追います。場所は多分わかっているけど、母さん達には言えません。ごめんなさい。約束とかはしてないけど、彼は『私』に来てほしいと言ったからです。ただし、朝が明けても、まだ私が帰らないようなら警察を呼んででも私達を探してください。それほど時間はかからないと思います。でも、そんなことになる前に、必ず、彼を連れて、私はこの家に戻ってきます。

 正直、時間がないような気がして焦っています。これを書いている今も、手が震えています、汚い字だと思うけど、許してください。

 行ってきます。

 

【追伸】

 お母さん達には難しいことを頼んでいるとは思うけど、娘の我儘だと割り切ってほしいです。それと、もう一つお願いがあります。

 私がどんな顔で次あなた達に会うことになっても、『おかえり』と言って、私を受け入れてほしいです。よろしく。


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