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理想の話

 男は、死を超越した。

 

 ある時は凶刃に倒れ、またある時は不運な交通事故に遭った。無数の銃弾で全身を蜂の巣にされたこともあった。

 男は幾度となく骨肉を砕かれ、赤き血を(こぼ)し、臓物を四散させた。

 

 しかし、男は死ななかった。


 不死鳥は死が迫ると自ら火に飛び込んで蘇ると言われているが、そのたびに命を失っているのは事実だ。それを「不死」鳥と呼ぶのは正確でない気がするが、死んで蘇る一連のプロセスを結果的に不死と呼ぶのならば、確かに不死の鳥だ。一度命を失っても、再びこの世に蘇ることが「死なない」と呼ばれることならば、男もまた、「死なない」人間だった。


 男は百万回死んで、そして百万回生きた。

 しかし誇るべきは、人間を越えた身体ではない。


 男は、生死の中で培った、強靱な精神力を持っていた。

 もしも歴史に残すならば、記録する書物にはこう記すべきだ。


「百万年も死なない男がいました。百万回も死んで、百万回を生きたのです」

「立派な青年でした」


 小説でも伝記でも、絵本でもいい。男のすべては伝説として書き残すべきだ。そういう人間であり、超越者なのである。



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初回のみ2話投稿です。よろしくお願いします。

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