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アッサム視点 事務室の面々編

アッサム視点

が…次回あたりで終わる予定です。

アッサムだから知り得るエピソード。

毎回、少しずつ入ってますが気づいてもらえると幸いです

 翌朝、執務室の面々に集まってもらい、リアーノに「レナード殿下」は「アッサム」であることがバレたと報告した。

 みんなは「ああ〜やっと気づいてもらえたのか〜。」といったのんびりとした雰囲気で、俺の知らないところで、いつリアーノにバレるのかを賭けていたのには少々びっくりしたが、これで少し肩の荷が降りたのか、ホッとした。


 2日後、俺はホーシャック室長と情報収集を兼ねて、昼ごはんを食べに王都の中心街の一角にあるナンシーさんの食堂を訪ねた。

 ナンシーさんの食堂は、仲間達の集合場所でもあり、時々だが王宮を抜け出してはごはんを食べに行っている。(王宮の食事より口に合うんだな…これが)


「こんにちわ。相変わらず忙しそうですね。」

 昼過ぎでも、店内はまだ何人かのお客がいる。

「いらっしゃいませ。ホーシャック公爵にアッサム!」

 「今日は先日、頼まれていた件でいい話があるわよ。」

 ナンシーさんがうれしそうに報告してくれる。ナンシーさんのご主人が裏の部屋に入れと目で合図をしてくれた。


「ダナン宰相の屋敷に潜り込めるチャンスがきたよ。明日からでも臨時料理人2人ほど来て欲しいらしい。期間は10日間ほどだけどね。」

「そうなんですね!それは絶好の機会ですね。」

 思わず、俺は心踊る。

「ホーシャック室長はどう思いますか?」

 黙って話を聞いていた、ホーシャック室長を見た。何故か難しい顔をしている。

「そうだな。良い話とは思います。あとは人選が…。」

 人選?

「なにか、問題があるんですか?」」

「うーむ…。」

ホーシャック室長が黙り込んでしまった。



 それからは執務室でダーリア殿も交え、話し合いとなった。

 ホーシャック室長が難しい顔をしていた理由がわかる。


「えっ?ライラか、リアーノ嬢を行かせるってことですか?」

 珍しくダーリア殿がムッとしている。

「いや、本人達の希望もあるだろうし、そうと決まった訳じゃないから…。」

 ホーシャック室長が慌てて、フォローを入れる。

 俺には事情がよくわからないが、ダーリア殿にとってこれは面白くない話らしい。

「リアーノ嬢でも問題ないが、ライラ嬢はしっかりされているし、ライラ嬢に行ってもらえると助かるがなにか問題でも?」

 ホーシャック室長の顔色がますます悪くなる。

 まずい発言を俺はしたのか?


 意を決したかのようにダーリア殿が真剣な眼差しで俺の方に向き直った。

「ご報告が遅れてしまって大変申し訳ないです。わたしとライラ嬢はかねてよりお付き合いをしており、現在、お互いの両親に紹介をする段取りを取っているところでして、それが終われば婚約者として、皆さまにご報告させて頂く予定でした。」


(な、なんと…)

 動揺が隠せない。この手の話にはとんと奥手な俺は、2人のそんな雰囲気も微塵もわからなかった。

「…そ、それはおめでとうございます。それでは、ダーリア殿がライラ嬢を心配されるのも無理はないですね。しかも日程的にも厳しい話ですね。」

 ホーシャック室長は固まったままだ。

 とにかく、2人の希望を聞くことにしようとなった。

 ダーリア殿が2人を呼びに出られた。



「ホーシャック室長、いつから気づいていたんですか?」

 ホーシャック室長がやっと聞いてくれたと言わんばかりに満面の笑みだ。

「何ヶ月か前の休日に2人がデートしているのを目撃してしまってね。誰かに言いたいのをずっと我慢していたんだぞ。あの2人、仕事中は全くポーカーフェイスだからね。」


 ああ… なるほど。ホーシャック室長が人選で悩んだ理由がよくわかった。

 ダーリア殿とライラ嬢のことが…


 んん… 俺だって、リアーノは出来れば行かせたくないぞ。


 チラッとホーシャック室長を見る。

 俺の考えがわかったのか、ニヤッとしている。


 ああ… なんだか嫌な予感しかしない。

 そうだよな…

 ダーリア殿がライラ嬢を想う気持ちと、俺がリアーノを想う気持ち…

 一緒だよな。


 そして… 満場一致の円満解決でリアーノの潜入が決定した。

本日もありがとうございました。


ダーリア殿とライラ嬢!

いつかゆっくりと馴れ初めを書きたいですね。これから、ラブラブを見せつけてくれるとうれしいのですが…。

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