新学期
大人になりたくない、と思うようになったのは
いつからだろうか。
早く大人になりたいな、と思っていたのは
いつまでだったろうか。
ぼくらが上がっていた階段は、
本当はエスカレーターで。
なりたくない、という気持ちを無視して、
ぼくらをその場所へ連れて行こうとする。
ずっと、
この瞬間が続けばいいのに。
大人になっても、そう思えるときが
くるのだろうか。
いつだって春の訪れは、
期待と恐怖で胸が押し潰されそうになる。
ずっとキミがそばにいてくれたらいいのに。
そうやって、やっと自分の依存心に気付いて、
やっとキミの大切さに驚かされた。
人生もまた物語。出会いもあれば別れもある。
そして、また出会う。
新しい章が始まるように。
今はただ、
そのときの僅かなわくわくと、不安と切なさに
身を任せてみよう。
また一つ大きくなったぼくへ。
今はただ、おめでとう
ここまで読んでくださりありがとうございました。