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仮定 3
僕らはとある地方の能力者、無能力者の混合校『私立葉隠高校』に通っていた。
リーダーを失った後の僕らは腐っていた。だけどそんなある日、彼女は現れた。
『三崎 凛音』は、僕らをもう一度『シーズン』を結成した少女だった。
彼女にその自覚はなかっただろうけど、当時の僕らはリーダーの死に立ち直るきっかけがなく、異能を手にしてしまったのも彼を失ってからであったためさらに酷くなってもいた。
だけど彼女はそんな僕らを叱り、励まし、こうして『シーズン』として再び世界を守るチームにしてくれた。
そんな中先日、特殊異能対策室『ガーデン』はある予知を立て、あらゆる予知を異能で覆した僕らS級チームに要請してきた。
その予知は「『三崎凛音』の死を覆す』だった。
最初何を言っているかわからなかった。彼女は無能力であり、ごく普通の学生だった。
だけど彼女は予知通り死んでしまった。僕らの、目の前で。
僕らは再び守れたはずの人を救えなかった。誰もが英雄と崇める、この異能を持ってしても。