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仮定 2
「……お前、ここにいたのか」
「…ああ。そう言うお前もな」
今はなき学舎。僕『桜田 春夜』、目の前のツンツン頭『滝雪 冬人』、そして、
「……てか全員か」
「…なによ、あんたらもきてたわけ?」
と音もなく現れた二人の女子、ポニテの運動系『海原 千夏』と、いつも後ろに隠れている文学少女『本橋 秋』も隣で、今も焦げる臭いがしそうな校舎を見る。
僕らは何かしらの失敗をするたび、この場所に来ては、姿ない誰かに聞いてもらう。
そして今日、僕らが全員揃ってこの場所に来たのは偶然ではなく、『チーム』としての後悔を吐露するためだ。
この世界にはある日、【異能力】が目覚めた。
その中で僕ら四人は日本一の異能力者として、国の特殊治安組織に協力する。
【異能力】をすべての人が使えるわけではなく、無能力者や弱い能力者を守るために各地で戦ったり、救ったりする。
僕らの名前をとって『シーズン』と名乗り、規模が高くなっても昔と変わらない人助けをする僕ら。変わったのは規模と協力者、そして僕らに『リーダー』がいるかいないか、それだけだった。