1/9
仮定 1
「行くぞお前ら!」
彼はそう言い前をただひた走る。それを僕ら四人が毎度追いかける。
彼はすごく正義感が強く、どんなに体格差のある人にも挑んでいき、そんな彼を目標にする僕らも挑んでいける。
その日だってそうだった。彼はいつものように誰かを助けようとして突っ込んだ。僕らだって突っ込んだ。
その日、僕らの小学校が燃えた。原因は放火で、早めに出られた人もいれば、中に取り残された人だっていた。
僕らはその熱く、煙が充満する中で逃げ遅れた人たちを救出する。
普通の小学生ならできないが日ごろからいろんな人助けをした僕らだからこそうまくできた。だが......。
その日、彼だけが、その火事の犠牲者になった。彼は最後まで、僕らまで見捨てないで自分を犠牲にして、そして死んでしまった。