パーティを組む
俺は5分動けなくなった後、急に身体が軽くなった。
(なんだったんだ?今の?……しかも、俺の魔力と同等…いや、それ以上の量、質を持っていた。一体何者だ?)
俺は空を睨み、はぁ、とため息をこぼした。
(この世界に俺より強いやつがいたとはな……油断は出来ないな…)
そういや、と思い俺は物陰にいる女の子に目を向けた。
よくよく見ると、彼女は女の子と言うよりも女性という感じだった。
「ん……」
「おっ」
彼女は体を起こすと、周りをキョロキョロと見渡した。
「お…お前は?」
「俺か?俺は通りすがりの冒険者だ。」
「そうか…お前が守ってくれたのだな」
「まあ、そうなるな」
「すまない」
「まあ、気にする事ではないさ」
「それでも、私はお前に…いや、命の恩人にお前は失礼か…あなたにお礼をしなければならないな。」
「大丈夫だ、俺は当たり前のことをしただけだ。」
「だが、お礼がないというのは少し……」
「あー!もう!わかったよ!じゃあ、俺と着いてこい!」
「それは、一緒に活動する、つまりパーティをつくるというのか?」
「パーティ?分からんが多分そんな感じだ」
「パーティは、3人以上で作れる。あと一人は決まっているのか?」
「あー、そういえばそうだな…」
あれっ?
なんか忘れてるような……あっ
リリギルドに置いてきた…
「そこんとこは大丈夫だ。俺に仲間がいるからな」
「仲間?そうか、それならいいだろう」
「あなたは命の恩人だ、そのくらいならどうってことない。」
「そうか、ならよかった」
「名前を聞いてもいいか?」
「ああ、そういや言ってなかったな。俺は冬弥だ」
「トーヤか改めて礼を言う。私はアルカだ、よろしくな」
「ああ」
ま、これから冒険するのに仲間は必要だろう、そう思い俺はアルカと一緒に街に戻るのだった。
◆◆◆
「すごいです!冬弥さん!あんな大きなドラゴンを1人で倒すなんて!」
「お、おう」
「それでですが、奥の方にあなたの連れがいますが?」
「あ…」
「とーうーやーさーんー!」
「げっ」
「なんで私を置いていくんですか!酷くないですか!?そんなに私いらない子ですか!?そうですか!」
「いやー、あの、悪いとは思っている…」
「もうっ!いいですよっ!で、さっきからいるそちらの方は?」
「私はアルカだ、よろしく。」
「私はリリです。訳あって冬弥さんに助けられました。」
「私もだ。ドラゴンから助けてくれた。命の恩人だ。これからパーティを組む同士頑張ろう。」
「パーティ?」
「トーヤ殿から聞いていないのか?」
「聞いてないです!トーヤさん、どーゆーことですか!?」
「いやー、仲間はいたほうがいいかなと…」
「それだったら先に私に言ってください!」
「なんだ?俺と一緒に冒険するのがいやなのか?なら別に無理にとは言わないが…」
「そんな事言ってません!あー!もー!どれもこれもトーヤさんが悪いんです!責任取ってください!」
「あー、わかったよ、なにをすればいいんだ?」
「今度、私と買い物に行きましょう!2人で!」
「なんだ、その程度か。いいぞ」
「やったーーー」
リリは飛び上がりながら嬉しがっていた。
あいつ大丈夫か?
…あ、いま足怪我したな…。
と、なんやかんやあって、俺たち3人はパーティを組むことになった。
◆◆◆
もちろん俺は約束は守る男だ。
リリとの買い物の日、リリがどーしても待ち合わせしてからがいい、と言うので仕方なく待っている。
わざわざ待ち合わせする必要あるか?
「トーヤさーん」
手を振りながら走ってくる女の子がいた。
「やっと来たか、リリ」
「お待たせしました!」
「あー、俺も今来たところだ。」
昔読んだ本に、女の子との待ち合わせはこう言っとけば大丈夫って書いてあったぞ。
「どうですか?今日の服は!この日のために貯めておいたお金を全部使って買ったんです!」
「うん、似合ってる」
「えへへー、ありがとうございます!」
「それと、お金を全部使うくらいなら俺が買ってやったのに」
「いえ、トーヤさんに迷惑かけるなんてことはしたくありませんから…」
「迷惑なんかじゃないぞ。それに俺らはもうパーティなんだ。迷惑をかけていい存在なんだよ。だから、困ったことがあったら言ってくれ。必ず力になれるとは言いきれないが、俺も俺なりの本気で頑張るから、な?」
「…はい!トーヤさん!」
少しくさいことを言ってしまったかな、と思いながら俺はリリとデートするのだった。
◆◆◆
「うーむ」
「どうしたんだ?トーヤ」
「いやな、どの依頼もあんまりお金が高くないんだ」
「ああ、今この辺りは平和だからな。あのドラゴンが来てからというもの、モンスターは全然いなくなっている」
「それじゃあまずいな…仕事がない」
「それじゃあ、王都に行かないか?」
「王都?」
「ああ、距離はそこそこあるとは思うが、馬車で3日あたりだ」
「そこなら依頼がたくさんあるのか?」
「ああ。王都にはダンジョンもある依頼をやりたいなら王都の方が儲かるぞ」
「それはいいな。」
「王都に行こうか」
「王都に行くには準備がいる。馬車は絶対必要だろう。あとは、それなりの資金や、寝泊まり出来る道具などが必要だろう。」
「まあ、そうだよなぁ」
まあ、そこら辺は金いっぱいあるから買えばいいか。
「アルカはそこら辺の善し悪しは分かるか?」
「まあ、だいたいはわかる。が、いいやつになると高くなるぞ?大丈夫なのか?」
「ああ、金はいっぱいあるし、大丈夫だ」
「ん?」
横から視線を感じた俺は横を振り向いた。
そこには…頬を膨らまして涙目で睨んできているリリがいた。
やべ、リリの存在忘れてた。
「リ、リリはどうだ?」
「そのくらい分かりますっ!」
「そうか、頼りにしてるぞ」
そう言いながら頭を撫でる。
「えへへー」
チョロい。
と、色々とあって俺達は王都に向かうため準備を始めることにした。
短いやつを沢山か、長いやつをちょっとずつかどうしようか迷う……。




