王子、気づく。
王子視点です。
会話がないので、読みづらいです!
すみません(ノ_・。)
私の婚約者のローズは本当に可愛い。特に、泣くのをこらえている顔は堪らない。だから、ついつい口が悪くなってしまう。
「ローズ、間抜けた面を晒すな。私の婚約者にふさわしい顔をしてくれ」
ローズのそんな顔を見たくて、こんなことを言ってしまう。本当は、ローズの顔はこの学園でも類を見ないほど整っている。
「え、あ、顔、ですか?これが普段の顔なので、どうにもなりません・・・」
だが、そんな自覚がないローズは私が求めている顔をしてくれる。ああ、本当に堪らない。ローズがこんな表情をするのは私の前だけだということがさらに興奮させる。つい、顔が緩んでしまう。
その時、ふとローズが微笑んだ。まずい。ただでさえ、可愛いローズが笑った時の顔はあらゆる男を陥落させるのではないかと思うほど、破壊力がある。事実、周囲にいた生徒、男女関係なく頬を染めている。特に、男に至ってはローズのことをガン見している。その状況に焦ってしまい、つい本音が出た。
そのおかげか、ローズは笑うのを止めてくれた。だが、先程とは一転してとても傷付いた顔をした。そのことに、いつもは喜ぶ私も何故か傷付いた。
今日は、用事があるということでローズとは一緒に帰らず、すぐに家に帰った。実を言うと、生徒会の仕事があったのでそれをしながら待っていても良かったのだが、何故かローズと一緒に帰りたくないと思った。こんな気持ちになったのは初めてで、私自身、とても驚いた。
家に帰ると私は早速今朝の出来事について、考えてみた。そうすれば、今日1日私の気持ちが落ち着かなかった原因が分かると思ったのだ。
そこで、とりあえずローズが私のことをどう思っているのか、考えてみることにした。だが考える迄もないと思う。意地悪ばかりしてくる人間に好意を抱くわけがないし、むしろ嫌うだろう。
しかし、私はローズのことを誰よりも愛している自信がある。このままいけば、確実に結婚するだろう。だが両思いでもない二人が結婚しても、虚しいだけだ。私が耐えられない。
そこで、ようやく今日私の気持ちが落ち着かなかった理由が分かった。ローズから嫌われていると信じたくなかったからか。情けない。
だか、今後の目標ができた。ローズの心が私にむくように、何らかの行動を起こさなければならない。ローズ以外に愛されても仕方がない。ローズに愛されなければならないのだ。
次からローズ視点に戻ります。