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海を歌う愉快な黒板

ある日の夜

作者: 海之本

大切な人を怒らせました

突然

ふるふる声震わせ

もうヤダって

電話切られました


かけ直したけど


声 聞けなかった


しょうがないから

携帯置いて

音楽かけて

風呂入りました


いつもと同じ湯の温度

なのに

なんだか寒い


朝起きたら

もっと寒いんだろうな


ため息もれました


風呂から出ると

軽快なメロディ流れていて

いつの間にか

鼻唄歌っていました


歌って

リズムに乗って

ドライヤー

マイクにして


髪乾くまで

踊っていたら

なんだか楽しくなった


大丈夫だよ

頑張れる


ドライヤー置いたら

悲しい曲に変わりました


なんか聞きたくない


冷蔵庫が唸ってます


また

ため息がもれました


冷蔵庫開けたら


明日も早いし

酒飲んだら

寝坊しそうだし


アイスの買い置き

昨日のが最後みたいで


しょうがないから

牛乳チンして

砂糖入れて

ホットミルク飲みました


大丈夫

これで眠れる

はず


はず


体は疲れています

仕事のせい

布団に入ったら

いつの間にか

眠ってしまって

寝てしまって


ふっ



目が覚めた


暗くて

寒くて

時計は三時過ぎ


もう少し眠れるのに


眠れなくて

寝れなくて


あの人の言葉

思い出しました


どうして怒ったのか

分かっているけど

分からない


だから

目をつぶりました


誰もいない部屋

窓の外も

何も聞こえなくて


どれだけ経っても

眠れない


静かすぎて

耳がきんきんします

耳障りで

でも音楽聞いたら

よけいに目が

覚めてしまいそう


きんきんきん


鼻の奥

冷気で冷たいです


むしょうに


誰かの声が聞きたいな

他愛もないこと

少しだけ

笑い声聞きたい


携帯握るけど

画面の時計

まだ夜中だって言うから

友達の名前

探すのやめました

だってみんな夢の中


しょうがないから

寝返り打っても

布団の中に

頭もぐりこませても


きんきんきん


どこかで

カブのエンジン音

ついに来た新聞屋


もうすぐ朝だよ


今日も仕事なのに

寝ないとしんどいだろな


カーテンの端から

じわりと闇が薄暗くなってきました


目覚まし時計

聞きなれた音


今日が

始まった


ベットから出ると

寒い寒い

トレーナーから

湯気がたちそうです


ぷるぷる

急ぎ足


温かい紅茶

昨日のドーナツ

ストーブの前で補充


ダウン着て

手袋して

ヘッドホン

楽しい曲流して


空はまだほんのり灰色

山脈と雲と滲んだ朝日が

ニンジン色してます


川からの風

冷たくて

思いっきり吸えば

鼻から肺へ

ごねる心の奥底まで

冷やしてくれます


頑張れる

今日も一日


雲が黄金の光

まき散らしてる


どれだけ言い訳しても

ため息出るから


風を切って

朝日に向かう


雲の切れ間

生まれたての青空


もう夜はどこにもない


どっちが悪いとか

もういいや


鳥が隣で

並走して

鳴いています


あの人に謝ろう


ヘッドホン突き抜けて

空じゅうに

メロデイ

響いてる


リズムに乗って

口ずさんで


きっと

今日は笑ってくれる


きっと

今日はいい日になるよ



声が聞きたいな

笑い声が



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― 新着の感想 ―
[一言] 温かい詩を読んでいるみたいで心が温かくなりました。彼女と仲直りができたらいいですね。
2016/11/14 10:44 退会済み
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