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影の使い手  作者: 葬儀屋
冬桜編
59/209

汝恐怖に備えよ

 上か下かさえ分からないような暗闇の中。あたり一面に木霊こだまするのは魔物モンスターの叫び声、威嚇、断末魔。

 自分ことクロードはその真っただ中を駆け抜ける。


 隙あらばと休む暇もなく襲い掛かる魔物モンスターを、

 双剣で切り裂き、

 素手で叩き潰し

 つかんで床にたたきつけて。

 ちぎっては投げ、ちぎっては投げを繰り返すが、魔物モンスターは何の恐れも抱かず、むしろ仲間の死骸すら利用して攻撃してくる始末である。


 そしてまた自分の前にまた三体の魔物モンスターが立ちふさがる。


■■■

【Name】ゾンビツリー

【Race】植物亜種 (魔物)

【Sex】なし

【Lv】178

【Hp】2220

【Mp】0

【Sp】0

【ATK】1780

【DEF】2220

【AGI】187

【MATK】187

【MDEF】187


■■【職業(ジョブ)】■■

【使い魔】


■■【スキル】■■

<特殊エクストラスキル>

高速再生リジェネ】Lv,2

<一般コモンスキル>

【物理耐性】Lv,4


■■【称号】■■

不死者アンデット


■■■



■■■

【Name】フンババ

【Race】大型獣 (魔物)

【Sex】男

【Lv】156

【Hp】1650

【Mp】1650

【Sp】0

【ATK】1650

【DEF】1650

【AGI】2050

【MATK】1650

【MDEF】1650


■■【職業(ジョブ)】■■

【使い魔】


■■【スキル】■■

<一般コモンスキル>

【加速】Lv,5

【威圧】Lv,6


■■【称号】■■


■■■



■■■

【Name】オクトフラワー

【Race】植物 (魔物)

【Sex】なし

【Lv】189

【Hp】2080

【Mp】2080

【Sp】120

【ATK】1980

【DEF】1980

【AGI】1980

【MATK】1980

【MDEF】1980


■■【職業ジョブ】■■

【使い魔】


■■【スキル】■■

<特殊エクストラスキル>

【並列思考】Lv,4

<一般コモンスキル>

【威圧】Lv,4

【再生】Lv,3

【水耐性】Lv,3


■■【称号】■■


■■■


 牛のような魔物モンスターの顔面に拳を叩き付ける、それだけで首は壁にぶつかり頭のない体は数歩歩いてどさりと倒れる。

 負けじと8つの花を持つ植物が攻撃を仕掛けてくるが、全部躱してすべての花を握りつぶす。


 その時、『枝』が体を貫通した。

 今まで戦況を見守っていた巨木型の魔物モンスターが、隙をついて攻撃してきたのだ。口によく似た木の割れ目がニタァと不気味な笑みを浮かべる。


 しかし、

「残念」

 体は光り輝き、閃光とともに跡形もなく吹き飛ぶ。

 枯れた木はよく燃える。自爆によって巻き込まれた哀れな巨木は、火に包まれのたうち回った後そのまま力尽きた。


「キイ! キイ!」

 屠ることができたと喜んだのだろう、猿のような魔物モンスターがうれしそうな雄たけびを上げた。

 ……それが遺言となることを予想できただろうか。

 あらためて大きく叫ぼうと口を大きく広げた瞬間、喉の奥から剣が生えてきた。


「……これで、156体目」

 魔物モンスターが背にしてた岩場、ごつごつとした粗い表面にできた魔物モンスターの影。その中から腕が伸びて、魔物モンスターの後頭部に短剣を突き刺している。

 腕から頭、胴体、最後に足を出して自分はその場に再度姿を現した、先ほど爆発したのは分身体だ。


「嫌になる」

 短剣を片手で遊ばせながら、周囲を一瞥する。

 どこから湧き出ているのだろう。この広場に入ってからすでに一刻、今だに終わりの見える気配がない。

 さながらこの場は人間の立ち入ることのできない、魔物が跳梁跋扈する百鬼夜行のど真ん中。目の前には小さな光が雲霞うんかのように次々と押し寄せてくる、あれ一つ一つが魔物モンスターの眼光なのだから頭が痛い、いや頭痛が痛い。

 いったい何が悲しくてこんな経験値マラソンをしなければならないのか、同じパーティーの賢者様はさぞかしLvレベルが上がったことだろう。


 息つく暇もなくまた後ろから魔物モンスターが襲い掛かる。


■■■

【Name】ムーティッヒ・ベアー

【Race】大型獣 (魔物)

【Sex】男

【Lv】235

【Hp】2840

【Mp】0

【Sp】0

【ATK】2840

【DEF】2840

【AGI】3340

【MATK】2840

【MDEF】2840


■■【職業ジョブ】■■

【使い魔】


■■【スキル】■■

<特殊エクストラスキル>

超加速アクセラレーター】Lv,6

四元素耐性エレメントリゼスト】Lv,4

<一般コモンスキル>

【爪術】Lv,5

【威圧】Lv,7

【物理耐性】Lv,8

【魔法耐性】Lv,8


■■【称号】■■

【森の番人】


■■■


「これはこれは……」

 なかなか歯ごたえのありそうな敵だ。


 熊の姿に似た魔物モンスターは、その巨躯からは想像もできないような速さで突進してくる。それを半身でかわしながらその首筋に短剣をあて、出血を狙った斬撃を繰り出す。

 しかし熊は首をひねりそれを躱す、結果として自分の剣線は首を切断できず肩を少し切り裂く程度で終わった。


「やるな」

 すかさず懐からナイフ数本を取り出し、熊に投擲する。

 敵はその右腕を一振りしてナイフを弾き、そのまま再度自分との距離を詰めようとした。

 しかし、その右足は動かせない。熊とは別にクマの陰にナイフを打ち込み、【影縫い】を発動させたのだ。


「まず右足一つ」

 ナイフを補充し、今度はこちらから熊に向かって走り出す。

 どうあがいても動けないと悟ったのか熊は腕を振り回す、その威力と鋭さが相まってその斬撃は爪を離れこちらへと飛翔する。

 斬撃の雨を避けに避けて熊の足元にまで到着する。


 自分の双剣と熊の双爪、まるで殴り合うかのように何合か打ち合い、そのたびに火花が散る。

 熊も頑張っているが、ステータスのAGI(素早さ)と、スキルのレベルはこちらが上だ。


 遂に隙を捉え、一撃を入れようとしたその時。

「……!」

 上から気配を感じてその場を離れる。

 瞬間、根がまるで雨のように地面に突き刺さり、一瞬にしてその場を何もない岩場から密林に変えてみせた。

 すさまじい威力だ、正面から受ければ自分でもただでは済まないだろう。


「敵も味方も関係なし……か……」

 林の所々に胴体を貫かれ、四肢を地面縫い付けられながらも必死に足掻いている熊が見受けられる。

 なまじLvレベルが高いので死にきれなかったのだろう、浮かべる苦悶の表情が自身の身に起こった想像を絶する苦痛を物語っていた。


「……」

 戦いを邪魔されたという憤怒を抑え、意識を集中し短剣を鋭く振るう。

 それだけで斬撃が跳躍し、目の前に広がっていた太い根を、まるで草でも斬るように片っ端から刈り取っていった。

 最後の情けに、足掻く熊にとどめを刺しながら呟く。

 経験値は全く入らないが、見ていてあまり気持ち良いものでもない。


 後ろから圧を感じる、気配の量は止むことを知らない。いや、むしろ増えているようにも感じ取れた。


「全く、いい加減にしてほしい」

 襲い掛かる魔物モンスターの頭を蹴り飛ばし、愚痴をこぼす。

 ここに来てからもう5体も分身体が消滅した、これがギルドで正規に組まれた捜索隊だった日には、その被害は数えることすら億劫になっただろう。


 この場にいる魔物モンスターたちは言ってみれば奴の兵隊、奴にとって自分は餌としか見られていない。

「敵も味方も守るべきものたちも、契約したものまで食いつくそうとしている。それでもまだ足りないか」

 この場にいない『奴』に皮肉をぶつける。


「何が『神』樹だ。私より人間らしい欲まみれの俗物じゃないか」


 このままは終わらせない。

 人間は何か困難な状況に発生したとき、それを何らかの形で後に続くものへ残そうとする。

 後世の人々にそれら伝え、打破してもらうためだ。ダンジョンで無念の死を遂げた『ユグドラシル』然り、そして先ほど遺体で発見されたBランクパーティー、『アイアン・ハーツ』も然り。

 ヒントは貰った、こちらも反抗させてもらおう。


「後悔するといい、私や賢者を敵に回したことを」

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