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影の使い手  作者: 葬儀屋
王城編
24/207

地底の草木

 ダンジョンの11階からは森林が広がる階層だった、イメージとしては森が大きな部屋に入ってしまったようなものだろうか?

 普通日光が当たらない地下では草木は生えないはずなのだが、そこはさすが異世界というべきか光るこけがそこかしこに点在しており、それらが太陽の代わりとなって植物を育てている。

 そしてこんな階層に出てくる魔物モンスターも、当然植物に関係したものが多くなってくる。


 今目の前にいる歩くチューリップみたいなものもその一つ、トイプという魔物で体をしびれさせる厄介な粉を出しながらダンジョンを徘徊している。

 【隠密】から派生したスキル、【抗体】があるので、ある程度の毒には耐えることができる、なので今の自分にとってこいつはただの動く花だ。


「せいっ」

 まるで首を切るように体のような茎から花を切り離す、それだけでこの魔物モンスターは動かなくなる。

「この粉にはいろいろと使い道がありそうだな。」

 そんなことを呟きながら自分は魔物モンスターの死体に近づいていく。

 実際自分より強い敵の力を弱める効果、俗にいう『デバフ』として有効かもしれない


 そう思った次の瞬間、自分は地面に伏せた。

 その上を何かが通り過ぎる、転がりながら体勢を立て直して危害を加えようとしたものを見た。

「でかいな」

 そこには体長3メートルほどある『木』がそびえていた。

 普通の木と違うところと言えば、幹の真ん中が縦に割れてその隙間から赤い『目』があることだろうか?

 先ほど上を通り過ぎた物はその魔物モンスターの枝だったのだ、無数の枝がまるで鞭のように音を立てて唸り、自分を捕捉しようとしている。


「せっかくだから君で新技を試してみようか。」

 短剣を構える、するとスライムが自分の懐から出てきてその短剣を覆う。

 スライムは見る見るうちに形を整えていき、まるで短剣をそのまま長くした長剣の刃の形となって止まった。

 そしてそのまま魔物モンスターへと走っていく、ある一定の距離に近づくと魔物モンスターは一斉に枝を伸ばして攻撃してきた、どうやら向こうの間合いに入ったようだ。

 自分のステータスは速さに特化しているため、一つ一つの枝を注意深く観察すればそこまで脅威ではない。

 分身を一体出現させ、自分は【隠密】を発動するすると魔物モンスターは自分には目もくれず分身体に集中攻撃をしだした、頭はそこまでよくないらしい。

 モンスターとの距離を詰め、自分の間合いに入った瞬間に分身体に意思を送る。

 分身体は合図を受け取りわざと動きを止める、その一瞬後魔物モンスターが分身体を枝で串刺しにする。


 魔物モンスターが『仕留めた』と思った瞬間に剣を降り下ろす、スライムの長剣の刃が魔物に当たる瞬間スライムが特殊エクストラスキル【剛化チタン】を発動した。

 この【剛化チタン】というスキルは【硬化】の進化したものからも分かる通り体を【硬化】よりも硬くすることができる。

 実証してみたが、ゴブリンの鉄の剣をぶつけて見ると鉄の剣の方が折れた。

 本来はスライムが身を守るために使うスキルなのだが、硬い鎧は武器にも転ずる、これを剣に纏わせたのならとても切れ味のいい剣になるだろう。


 結果、硬い幹がまるで豆腐のような手応えだった。

 文字通り魔物を真っ二つにしたのだが、勢いをつけすぎてそのまま転んでしまった、思っていたよりこの技は強力らしい、次から力の調整を気をつけよう。


「この分なら今日中には階層を超えられそうだ」

 この層の魔物モンスター達は、10階層以前の魔物モンスターに比べて強いモンスターがほとんどいないため、そこまで苦労する事はなかった。

 多くのモンスターがさっきの歩くチューリップよろしく、冒険者に対して各ステータスを下げたり、異常状態にさせる攻撃などをするものであった。

 恐らくそうして怯んだ冒険者に、さっきの大きな木の魔物モンスターような数少ない戦闘用の魔物モンスター達がかかっていく仕組みなのだろう。

 これについてはあらかじめ鑑定などで魔物モンスターのスキルを確かめてから戦うようにしたり、2体以上いる場合は分身体を使って個別に仕留めるようにしたり、スキル【抗体】のLvレベルを上げることによって対策がとれた。


 ダンジョンの11階層以降を攻略し始めて早半日、思っていたよりこのスライムが活躍してくれたおかげで17階まで到達する。

 自分のLv(レベル)も飛躍的に上がったが、それ以上にスライムに大きく2つの変化が起きていた。

 まずLv(レベル)がMaxの20まで上がり、また進化したのだ、今度はメタルスライムという液体金属のような、某未来から来た暗殺者よろしくの形態になった。


 そしてもう一つ、

「お疲れさま、リン」

 名前が付いたのである。

 そういえば名前付けていなかった、と思い出し自分が呼びたい名前を付けたらとても喜んでくれた…ように見える。

 誰か『スライムの気持ち』なる著書を出版してはくれないだろうか。


■■■

【Name】 リン

【Race】 メタルスライム (魔物)

【Sex】 なし

【Lv】5 (▼12)

【Hp】 125 (▼5)

【Mp】 125 (▼5)

【Sp】 4760

【ATK】 125 (▼5)

【DEF】 300 (▲180)

【AGI】 300 (▲180)

【MATK】 125 (▲5)

【MDEF】 125 (▲5)


■■【職業ジョブ】■■

【使い魔】


■■【スキル】■■

<特殊エクストラスキル>

剛化チタン】Lv,4 (New)

<一般コモンスキル>

【捕食】Lv,1


■■【称号】■■

【使い魔】


■■■


「お昼にしようか」

 魔物から採取を終えそう言って振り向くと、リンはさっき倒した木の魔物モンスターを取り込んでいた、もうお食事中のようだ。

 朝宿に包んでもらったパンと簡単な惣菜で腹を満たそうとする、するとスライムがこっちを向いてきた。


「なんだ、私のがほしいのか?」

 そんなことを言いながら木のフォークに惣菜を指してリンの前で振ってみると、スライムが体をフォークに合わせて左右に揺れていた。

 とても少し前までの、頼れる相棒という面影はない、少し可愛いと思ってしまったのは内緒である。

「そらっ」

 惣菜を投げると空中で受け取り、そのまま吸収していく。

 日本でよくフリスビーで犬と遊んでいる光景があるが、なるほどなかなかに楽しい。

 ついつい何度も構ってしまうと、気付けば惣菜がなくなっていた。


 結局自分は硬いパンを食べるだけで昼食を終えるのであった。






■■■

【Name】 影山かげやま とおる

【Race】 人間

【Sex】 男

【Lv】65 (▲12)

【Hp】 740 (▲120)

【Mp】 740 (▲120)

【Sp】 4420

【ATK】 740 (▲120)

【DEF】 740 (▲120)

【AGI】 1110 (▲180)

【MATK】 666 (▲108)

【MDEF】 666 (▲108)


■■【職業ジョブ】■■

忍者アサシン


■■【装備】■■

【無銘の魔剣】

【無銘の魔剣】

【鉄の鎧】

【厚手のマント】


■■【スキル】■■

<特殊エクストラスキル>

【分身】Lv,5

<職業ジョブスキル>

【偽装】Lv,5

【鑑定】Lv,4

【看破】Lv,4

【隠密】Lv,6

 【忍び足】Lv,5

 【抗体】Lv,5


【短剣術】Lv,5

 【影縫い】Lv,5

 【多段突き】Lv,5

 【投擲】Lv,4


【自己鍛錬】Lv,1

■■【称号】■■

【異世界人】【冒険者】


■■■

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