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少年と空

作者: 岡田さとし

少年は河原で空を眺めていた。

快晴という言葉にピッタリな清々しい青空だった。

今日は5月のゴールデンウィークの初日で少年の通っている小学校も休みだった。

少年は一人でこの空を眺めていた。別に友達がいないわけではなく、むしろ多い方だ。けれど、少年はこの時ばかりは一人でいたかったのだ。誰にも邪魔されずにこの空を眺める、少年にとっては最高の贅沢に思えてた。ゲームをするよりも、友達と遊ぶことよりも、美味しいあ母さんの料理を食べるよりも贅沢に感じた。

なぜ少年はこんなにも空が好きなのか、それは自分のいる世界とは違う”感覚”が得られるような気がしたからだった。


地上にいる人、犬、馬、象、キリン、ライオンは姿は皆違うが、共通することがある。それは地面に脚を踏ん張って立っていることである。二足歩行でも、4足歩行でも、親から受け継いだ足で地面を力を込めて踏ん張ってたっている。

しかし、鳥はどうだろう。

鳥も確かに地上にいるときは地面に立っているが、その左右の大きな翼を広げたらどうだろうか。

翼を広げた鳥はまるで重力に縛られない、”自由”という表現にふさわしい姿を見せる。


少年はただ、空を眺めているのではない。そんな鳥のように空を飛んでいく気持ちを想像しながら空を眺めているのだ。

空を飛ぶ気持ちを感じたかったのはこの少年だけではない。

今のように飛行機などない時代は、人々は空に憧れを持っていた。

人は自分たちにはできないようなことに憧れるものだろうか、いや、それなら魚のように海中を泳ぎたいとは思うだろうか。

少年は、人は、空に何だかの憧れがあるのかもしれない。


すると、少年のお腹から「ぎゅるるるる・・・」とお腹がなった。

(もうお昼か、早いな、今日のお昼はなんだろう?)少年はそう思いながら帰路へと向かった。

少年が帰っても、空は清々しく、一面蒼く、晴れ渡っていた。




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