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残念ですが、あなたが愛したのは妻であるわたしです。  作者: おつかれナス


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ソフィア目線 2

 お義母様に連れられて来たのは王都でも有名なオートクチュールの店だった。

 いつもは店の人が屋敷に来てくれるそうだが、夜会までオーダーメイドしている時間が無いため、今回は既製品に手を加えようと直接来たのだ!


「本当ならオーダーするところですけどごめんなさいね!次はちゃんと作るから今回は許してちょうだい。お金?そんなの心配しないのよ!これは夫と私からのプレゼントなんだから!」


 そう言うと店長に色々指示を出していく。

 わたしは言われるがまま、次々と出されるドレスに腕を通していく。お義母様は既製品でごめんなさい!と言ったが、子爵家のわたしからしたら既製品でも手が出ない品々だ。

 二十着目でやっとお義母様のお眼鏡に適うドレスが見つかった。わたしはこれで解放されると喜んだのも束の間、次は靴、髪飾り、宝飾品と次から次へと決めるものが出てくる。

 この時にやっと 身分差 という言葉が頭によぎった。

 さっきも言ったが子爵家では毎年ドレスを買う事も出来ないため、大体は貴族御用達のレンタルドレスを利用する。

 レンタルにしても今日のドレスはとてもじゃ無いが手を出せる代物では無い。


「あの、お義母様・・わたしが着てもドレスが浮いてしまいませんか?」


 なので装飾品はシンプルで・・と伝えたかったが、


「まぁまぁ!若奥様は肌の色も透き通るように白く、お身体も細身でいらっしゃるので何を着てもお似合いになられますわ!」

「あのバカはこの娘をちゃんと見ないから!手を掛ければ輝く子よ!まぁ、あのバカが気付かないおかげで私の楽しみが増えましたけれどね。」

「はぁ・・」


 お義母様は 当日が楽しみね! と笑っていたが、こんなわたしが着ても馬子にも衣装。


(きっと笑われてしまうわ・・)


 その後もアインス様は屋敷に帰ってくる事もなく、夜会の二日前にお義父様が領地から来られた。

 お義父様もお義母様同様、アインス様に対しお怒りになられた。

 そして次の日、なぜか両親が屋敷へと呼ばれた。


「お義父様、お義母様。わたし嫁として何かしましたか?両親には非がありません!どうかお許しを!」


 必死になって謝罪をすれば逆に謝られてしまった。


「こんな仕打ちを受ける筋合いは、貴女には無いのよ!」




 侯爵夫妻がわたしの両親へ提示したのは


1 二年の白い結婚の場合ソフィアには何の非もなく離縁出来る。


2 二年の間にアインスが他の女性に気持ちが向いた時は、ソフィアには領地の1/3を与え、その領地で得られる税金は全てソフィアに渡す。


 を、結婚誓約書に追加した。


 そして夜会当日。わたしはお義父様、お義母様からプレゼントされたドレスと宝飾品を身に纏い、王宮へと向かった。

 本来ならアインス様のエスコートが無ければ王宮へは入れないが、お義父様の知り合いの方がわたしをエスコートしてくださった。


「ライリー、今夜はよろしく頼む。あのバカに目にもの見せてやる!」

「ええ本当に!ソフィアに気付けば合格だけど・・きっと無理ね。」

「こんばんはソフィア様。どうか私の事はライリーとお呼びください。今夜は全て私にお任せくださいね。」

「ライリー様、よろしくお願いいたします。わたしは夜会に行くのはデビュタント以来ですので・・粗相をしたらお許しくださいませ。」


 貧乏子爵家では夜会もそうそう出る事も叶わず、デビュタントのドレスも隣の領地の幼馴染から借りた物だった。


 こうして侯爵家の馬車で夜会へと出発した。

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