ソフィア 8
「離縁・・ですか?」
「ああ」
旦那様はお茶を飲んでいる。
わたしも一口お茶を飲むと聞く。
「あの、忘れられない女性と・・?」
「いや!だが、別の女性だ・・」
もしかしたら旦那様は、わたしと離縁してわたしと再婚すると言っているのか?
「あの、、旦那様は、わたしの事をどれだけ・・」
「面倒くさい事は言わないでくれ。君には悪い事をしていると分かっている。だから君にはこれからの生活に困らないだけのお金を持たせる。再婚相手を見つけても良い!」
「・・・」
旦那様はそれでもわたしを見ようともせず話続ける。
でも、夫婦らしい思い出が一つもないお陰で不思議と悲しみは湧かなかった。
悔しい、でも無い。
何だろうこの気持ち・・そうか、虚しいんだわ。
「それで、旦那様はわたしと別れた後どうなさるのですか?」
答えはわかっているが聞いてみた。
「私は想い人に・・そうだ!君にはライリーを紹介しようじゃ無いか!」
突然大声で良い事思いついた!感いっぱいで叫ぶ。
突然出て来たライリー様の名前に、ちょっと嬉しくなった自分を抑える!
「アイツは昔から気に入らないんだ!この俺のが身分は上なのに、あんな美しい人と・・」
何やらブツブツ言っている。
ライリー様とフィアの事はまだ内緒だから、ここでは反論出来ない。
わたしが何も言わないのを良い事に、どんどんエスカレートしていく。
「お前のような地味な女には、ライリーくらいが丁度良いんだ!」
「旦那様!!おっしゃて良い事と悪い事がございます!今のお言葉はライリー様に対し失礼です!」
嫁いできてから初めて大きな声を出した。
おそらく扉の外でアンも驚いているだろう。
それでもライリー様を下げる様な言い方は許せなかった。
「お前は夫に口答えをするのか!」
「夫婦という程、わたくし達は一緒に生活をしておりません!」
バシンッっっ!!
気付けば左頬が痛みだす
旦那様に叩かれたのだ。
左手で頬を押さえると
「お前のような地味女など、妻とも思っていない!両親が勝手に選んだだけだ!」
そう言い終わると隣の部屋へ飛び込んで、
「父上、母上!先ほどの言葉は本気です!王宮へ戻り次第、手続きを始めます!俺は一人の人間なんだ!」
走り去る足音が聞こえる。
わたしは叩かれた頬が痛いのか、旦那様に言われた言葉が痛いのか・・気付けば両目から涙が溢れ落ちていた。
「フィア!」
わたしを心配したライリー様が部屋へ飛び込んできたが、わたしが泣いている事に気付き・・
「うううっ、ライリー、さま、、わたし何か、しましたか?わたしは、、何の、ために、、嫁いで来たのでしょうか、、」
ライリー様はずっとわたしを抱きしめて、
「フィアは悪く無い。アインスが見る目が無いんだ。」
と、慰めてくれていた。
ライリー様の後ろでお義父様とお義母様も困ったような、心が決まったような・・顔をしていた。
それから三日後、旦那様が持って来たアインス・フログラエルと書かれた離縁書にわたしもサインした。
結婚してちょうど二年だった。




