鈍色の箱庭
幸せ色の箱庭を
ひっくり返して
壊してしまった
後悔しても戻らない
もとの形に戻せない
同じように作ってみても
それは似ていて違うもの
そこは何かが欠けているのに
欠けていることは分かるのに
何を埋めれば戻せるのかだけ
幾ら考えても答えは分からず
そっくりに似せた箱庭で
壊れた人形が踊っている
事実は何も覆らない
壱を零には戻せない
変わっていても
手放したくない
幸せ色の箱庭を
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覆水盆に返らず
それでも、やり直せるのが人だけど
戻すことに固執するより
作り直すことのほうが
より良い選択ということもある
刻まれたものは消せないけれど