マーサと翠
マーサと翠
この2名に挟まれてコウは久しぶりの緊張を味わっている、だが一応アルコールを飲みながら二人の話を聞いている。
そこには陽と星そして所達も居る為さほど居心地は悪くない、但し両側から自分の両足に手が乗せられており、その体温はかなり暖かく感じている。
「で お兄ちゃんはどうするの?」
「俺はこのまま医学部の脳情報科学科を卒業するまで居るよ、あと4年もあるし」
「じゃあ明実ちゃんは?」
「わ わたし?」
そうマーサは現在留学中、そして彼女が後何年留学するかによってボディーガードとして付いて来ているセリアと明実の滞在日時も決まってくるのだ。
「それだけど、一応留学のビザは3年なのよね」マーサ
「じゃあ後1年半?」
「でも一度向こうへ帰ってから又来るわよ」
マーサはすでに脳情報科学科の3年生として留学している、卒業するには一定数の論文かもしくは後3年学部に通うことが条件なのだが。
どちらにしてもビザの関係で1度は向こうへ帰らなければならない。
勿論お付きの2人も同じことが言える。
「じゃあ2人も帰るの?」
「帰らない方法もあるのよね」翠
「あらグリーそれを言っちゃうの?」
(しまった…)
帰らない方法それは婚姻してしまうと言う事、明実と陽、所とセリア、そしてコウとマーサ。
この3組がすでに恋人として付き合っていくと言うのは誰の目にも明らかだろう。
そしていずれ結婚も視野に入れていないわけが無い、但し今の年齢はまだ3人共に20歳前後という年齢。
「私はコウさえその気ならいつでもOKよ」
「わ 私は…」明実
「僕は君に任せるよ、でも一度向こうの親御さんとも挨拶しないとね」陽
「僕はすでに決まっている明日にでも婚姻届を提出しても良い、だけど君の仕事の邪魔はしたくないから無理にとは言わない」所
「私もこの仕事が終るまで待つわ」セリア
翠はこうなる事が解っていたがまさか自分の口からタブーと思っていた言葉が出てしまうとは思わなかった、まあ出ていなくてもそうなるのだろうとは感じていたのだが。
「グリー有難う、あなたはライバルではあるけど、私はあなたもコウには必要だと思っているわ」
「へ~なんだかうらやましいな~もしかしてあたしだけお子様みたい」星
「いやいやおまえはまだこの先の未来が俺よりあるんだから」
「まあいいや兄貴の気持ちも解ったし、よろしくね明実ちゃん」
「あ 有難う星ちゃん」
そこへ外飲み組が現れる。
「お~やってるな」
「何が?」
「おれ町田先輩休ませてくるよ」
「俺も行く」コウ
なんとなくだがこれ以上いると外堀を固められて行ってしまいそうで、それはまるで自分の進路を他人に決められていくのを黙ってみているようだった。
出来ればコウも自分の道は自分で決めたい、それが彼女らの希望と同じでも。
だから自分がマッチーに付き合う事で一旦話を戻したかったのかもしれない。
外飲み組も帰ってきたため否応なく話は盛り上がるのかとも思われたが、時間的には夜10時を回っているため、女子は全員話の続きを温泉に浸かりながらすることにしたようだ。
もちろん男子はマッチーがいなくなったので、話の音頭を取るキーマンが抜けたことによりそれぞれの部屋へと戻っていく。




