海水浴
海水浴
翌日は朝から快晴、待ちきれない男どもはすでに水着を着て、それぞれにグッズを手に海岸へと歩いていく。
ホテルから海岸へは歩いて10分程度、途中海岸線の道路を横切り海の家がある階段を降りるとそこから約300メートルほどの海岸線が見える。
この砂浜はさほど大きくないので人が増えるとすぐいっぱいになってしまうのだが、日程がウィークデーということもあり本日は割とすいている。
男子が持ち込むのは浮き輪、ビーチボールそして水中眼鏡と足ひれ。
いわゆる定番だね、だが俺はホテルから借りたパラソルなどというものを抱えて歩いている。
「まあこれは必要だね」
「コウよ俺たちは一生こんな感じか?」
「町田先輩現代の男はここをクリアしないと幸せはないようですよ」
「来世は女に生まれてきたいものだ・・」
「そ~れはそれで大変そうですけどね」
「コウよお前なんかその言葉、知ったかぶりか?」
「いやいや、先輩知っているでしょ」
「それでも俺はチェンジしてみたいぞ・・」
「コウちゃん何話してるの?」
後ろから翠がお嬢様風のいでたちで歩いてくる花柄の水着にパレオをまとい、ホテルのボーイからもらったハイビスカスの髪飾りを髪にさして。
俺は振り向きざまにこけそうになった、彼女の美しさに一瞬歩いているのだということを忘れ、しかもここは坂道だということも忘れたために足が少しグキッとなる。
「ウオッ!」
「おいおいコウ大丈夫か?」
「こうちゃん!」
「いや平気気功術で一応強化してあるから」
3本ものパラソルを持ち坂を歩いていることなどしっかり忘れていた。
ちなみにパラソル3本20k以上はある、町田パイセンは折り畳みのビーチベッドを小脇に抱えている、そちらも重さは負けず劣らずに15k越え。
「はーいコウ!」
さらに後ろからはマーサたちが歩いてくる、山根兄弟の姿も見えるがなぜか見慣れない風景が一つ。
所先輩がセリアと話しながら歩いてくるとは、しばし目をパチクリしたり目をこすったり。
まあ俺としては誰の頭上にも春は来るものだと思っているので、うまくいくのなら喜んで応援したい。
「荷物持ちは大変だね」アキラ
「そう思うならお手伝いシルブプレ」
「そ ずりーよな、俺らだけ荷物持ちって」
「いやいやよく見てよ俺も持っているって」
そうアキラも荷物は持っている主に女子たちの荷物、帽子だったりサンオイルだったりスキンケア用品の数々。
バッグを2つ、重さで言ったら5kもないだろうけど。
「え~私は荷物持ってくれる男の子すきだけどな~~」
星は一応よいしょしているつもりなのだろうけど本人が持つのはせいぜい浮き輪ぐらいなもの。
そしてかなり後方からお姉さまが2名、大きな帽子をかぶりゴージャスなボディを日光のもとにさらしながらシャナリシャナリと歩いてくる。
「それにしてもよく晴れたわね」
「紫外線対策は気功術だけじゃ足りなさそうね」
「まあ私たちは海には入らないから大丈夫よ」
お姉さま方はたぶんビーチベッドを独占する予定のようだ、一応ビーチパラソルは3つあるので一つで2名分のベッドをカバーできる。
ベッドは4つ、それとビニールシートが2つあるのでまあ何とかカバーできるだろう。
基本、男どもは露天のみ使用するので柔い考えは今のところ必要ない、気功術がこの世に認識されてから貧血という項目はかなりの確率で消滅している。
すでに砂浜へと到着している男子は海に入りふざけあっているが、その風景だけを見るとおおよそ東大生とは思えない。
「お~いおそいぞ~」
「遅いじゃねーよ、お前らも手伝えー」
砂浜に着くとじぇれあっていた何人かがこちらに気付き、人の苦労も知らない数人がようやく事の重要さを思い出す。




