ホテルで卓球
ホテルで卓球
まあそんなことつゆほども知らないコウは現在風呂を出て、なぜか卓球台がおいてあるコーナーへ。
「コウがここまで熱くなるとは思わなかったよ」
「アキラもね」
そこに1階ラウンジでの話し合いを終えこれから風呂にでも行こうかと思っていた面々が訪れる。
「お~なんだよ全然見ないと思っていたらこんなとこにいたのかよ」
「その恰好だともう風呂は入ったんだな」
「俺らも風呂に入ろうぜ」
「ああじゃあまたあとで」
(カツッコッ)
(カコッカッ)
「なかなかやりますね~」はあはあ
「また汗かいちまうな~」
「そろそろやめようか」
コウとアキラはそのまま1階ラウンジへ。
「しかしもう卒業か?」
「アキラは後4年か?」
「いや俺も1年は飛び級するよ」
「医学部も結構しんどいよな」
「まあね、でも論文作成はAI自動論文作成ソフトでかなり楽だよ」
「どうしてあんなソフト作ったんだ?」
「いや逆にないのが不思議だったんだよね」
曾爺さんの受け売りだが、西暦2800年にもなってAI人工知能はすでに人の思考とほぼ変わらないところまで来ているのに。
エネルギー問題がネックになり電子機器の開発にはかなり負担になっている、気功術を用いた第3のエネルギーの補充システムは、いっぺんに多くの補充ができない、基本的にはパーソナルな方式から始まっている。
現在は魔石に近い鉱石の発掘によりそのエネルギーを蓄積する方法も確立されているが、まだ太陽光や風力にとって代わるほどの力はない。
それが変わるのは後100年ほどたってからだ、TFC機械製作株式会社による魔法変換システムによるBIWや航空用推進システムが飛躍的に進歩するからだ。
曾爺さんは発明家ではないが、未来でいろんなシステムを見てきたらしい。
コールドスリープや瞬間移動装置の開発はさらに500年以上の年月を要するが。
一番の発明がBIW脳内をパソコンのように使用する機械。
一度脳内をストレージ化すればそれ以降は他人とのデータ共有が進み、その後は学習制度が大きく変わるという。
「科学が飛躍的に進みコンピューターも小型化されて、ほとんど自動化されているのに、いまだに文章作成はせっせと人が行うのはおかしいと思ったんだよね」
「まあ例題や例文で補うのは当たり前だけど、AIをどこに使うのかが問題だった、すでに人族の世界では数億という思考の形がデータとしてあるのに、そこを研究しないでどこを研究するんだって話」
「まああのソフトが今まで出なかった理由は利己的な考え方が大きかったからじゃないかな?」
「自分だけ得しようとする考えか?」
「そうだろ、AIで論文が簡単にできればみんな簡単に卒業して、下手すると自分より早く周りが卒業してしまう」
「もし俺じゃなければ、あのソフトは大手の会社に億を超す金額ですぐ売り払うだろうね」
AI自動論文作成ソフトはソフトだけでは機能しない、PCにもコウが開発した小型脳波感応式電子頭脳が搭載されており、パソコンではあるが2台の中にある相互補助システムを使うことで、スパコンと同じような働きをしてくれる。
中枢にはTFC製作所の魔石と同じようなエネルギー変換機能付きチップや連動する記憶加速装置などなどの最新の技術が使用されていたりする。
本来大学生が論文作成などという安易なお勉強に使うような品物ではないのだ。
だがコウ(曾爺さん)は凡庸として開発してしまった、損して得取れという典型だ。
論文というのはいわば研究の成果を描いた書類だ、その中身は生徒の数だけあるが、中には素晴らしい研究内容も多くあり、世の中の役に立つ内容も多いのだ。
それは新技術の開発とも大きなつながりを持つ、そう論文の内容を特許に編集することができれば、世の中の技術はさらに早く進んでいくことができる。
思った通りAIソフトでサークルの全員が数千万と言う利益を得ることができた、それ自体が実験であり成果なのだ。
まあこれも曾爺さんが未来を見てきたからできた事ではあるが、だとしてもコウは曾爺さんのしたことは必然でありとても有益だと考えている。
たかが学生の研究論文だと思っている輩にはわからないかもしれないけどね。
「それでコウはこれからの研究はどうするんだ?」
「まだBIWについては色々開発しないといけない部分があるんだよね」
「まあサークルが存続するなら俺は万々歳だからコウには俺が卒業するまでいてほしいよ」
「サークルはどうかわかんないけど、大学にはいるつもりだよ」
そこにコウの彼女であるマーサと翠そして明実とセリアがやってくる。
「あれ?母さんは?」
「教授と飲むんだって言ってたわよ」
「ああ~まあそうだよね」
「おにいちゃん こんなとこにいた~」
「おお~なんだお子様は寝る時間だぞ」
「え~けちっ!」
「アハハ」
「まあゆっくりしていけば・・」
「えへへ」
当然ながらコウの両隣にはマーサと翠が座り、販売機で買ったミネラルウォーターを口に含んでいる。
「あ~すずし~」
「こういう雰囲気も久しぶりだわ」
「翠は伊豆には?」
「昔家族で来たっきりね」
「そうなんだ・・」
「最近は伊豆じゃなくて軽井沢の方が多いかな」
「そうなんだ」
明実はいつの間にかアキラの隣へ座ると、ほてった体をミネラルウォーターで冷ましていた。




