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ラウンドテン再び

ラウンドテン再び


ボウリング場に着き、個人情報を入力し前回と同じく2名で登録、今回は6階の一番端のレーン。

前回と同じく貸し靴を持ってエレベーターで6階へ、6階の一番端の方まで歩いていくと手前の3レーンは清掃中の札が。


(ああ それでこのレーンなんだな)


椅子に座り専用のシューズを履き替え、前回と同じく球を選ぶ。


「また重い奴にするの?」

「そうよ、だってどうせなら高得点出したいもの」


そりゃそうだ、俺もできることなら高得点を出したいが、ボウリングはそれほど簡単なスポーツではない。

どこをどう攻めれば高得点が出るのか分かっちゃいるのだが、なかなか思ったようにコースを球が進んではくれないのだ。

そこは練習でしか補えないこともわかっている、もちろんセンスも必要。


「じゃあ私から投げるね」


そういうとマーサはきれいなフォームで1投目を投げる、もちろん1投目はストライク。


(パチパチパチ)


「やっぱりマーサはうまいね~~」


自分も練習を1回終わらせると、本ゲームへとタッチパネルを操作する。


「これで良しと」

「もう初めていい?」

「オーケー、高得点目指そう!」

「ヒアウィゴー」


2回目ということもあり1ゲーム目の点数は俺が153マーサはなんと279点、途中1回のスペアと最後の1投を失敗しただけという。

その様子はまたもや他の客と従業員の目に留まり、この店の所属プロボウラーまで見にくる始末。


「あらら」

「ギャラリーが増えたわね」

「この点数じゃ仕方ないか」

「あ すみませんもう退散します」ボウラー


ボウリング場には常にではないが会社所属の専属プロがいる、もちろんレッスンなどの技術指導も行っているし、大会などのメイン司会や会社主催のサイン会などと、仕事の幅は広いのだが。

そういうイベントがない日などは普通の仕事、例えばレッスンの日程割りや物品販売の説明など、一応ラウンド10の会社員と同じ扱いだ。

自分の点数より高い点数を金髪美女がたたき出したと聞けば、そりゃ少し職務を外れても見てみたいと思うだろう。


2ゲーム目は真後ろを避けて隣のレーンを掃除しながら、マーサの投げっぷりを見に来ていた。

2ゲーム目は269点、少し下がったがスペアが一つ増えただけで後は全部ストライク。

普通のプロはこのぐらいがアベレージ、そして3ゲーム目へ突入。

俺はすでにお付きの人と化していた・・・


「ヤー ゴー」

(ガコーン)

「ナイス!」


3ゲーム目はなんと6連続ストライクで、もうノリノリで投げ続けている。

今日はホットパンツということもあり大事なところを気にする必要もなく。

先日は少しおとなし気に投げていたのだということを、今回の投げ方を見るとよくわかった。


「今日は調子良さそうだね」

「うんばっちりだよ」


そういうとあの重いボールを手に取りまた投げに行く。


(ガコーン)


ストライクの映像が派手にモニターを飾る。

7連続ストライク、投げるたびにまっすぐで長い足が完ぺきな軌道を描いていく。

そしてどこにそんな力があるのか右腕から放たれる最重量を誇る玉が弧を描きピンへと吸い込まれるように向かっていく。

一連の動作が本当に美しい、後ろから見ていてもその動作に俺の目は吸い込まれていく。

ハイタッチをして自分のボールを手に取り、俺も7フレーム目はストライクを取った。


「このゲームはコウも高得点でそうだね」

「いやいやそんなにうまくはいかないでしょ」


結局3ゲーム目マーサは本日最高の298点をたたきだした、ラストの一投がストライクにならなかったというだけだが、俺もそのイケイケムードにつられたのか過去最高の188点を取った。

4ゲームと5ゲームは休憩も入れて挑戦してみたが、やはり3ゲーム目がピークだったらしい。

以降のゲームは3ゲーム目ほどの点数を上げることができなかった。


「投げたねーもうお昼か」

「ちょうどいい時間かも」

「でも3ゲーム目は惜しかったね」

「悔しかったわ、あと2ピンだなんて、でもコウがいたから出せたのよ」

「マーサは褒めるのが上手だね」

「だって本当だもの、前回の時だってすごい調子が良かったから、そしたら今回もすごい調子が良いのよね」


片付けを始めると専属ボウラーがプレゼントを持ってきた、オリジナルのキャラクターグッズ。


「素晴らしい点数です、当店からのプレゼントをお受け取りください」

「センキュー」


お礼を言うとニコッと笑いお辞儀をした、ここの専属ボウラーは女性で少し話をするとマーサの歳を聞いて驚いていた。

マーサ・オースティンは今月20歳になるティーンエイジャー、この年でどうやったらパーフェクト一歩手前の点数が出るのか不思議だと思うが。

それは俺もそう思う、一言で言わせてもらえば、そうそれはセンスとしかいえないだろう。


「それでは本日は誠にありがとうございました、又のご利用お待ちしております」

「いえこちらこそ」

「センキュー」


今日のデートはこの後昼食の予定、それもマーサのリクエストで回らない寿司。

どうして同じでないと気が済まないのかわからないが、まあ人が経験してよかったといえば自分も経験してみたいと思うのは仕方がないだろう。

それも恋敵がそう言っていればなおさらだ。


「楽しかった!」

「うん俺もだよ」

「うふ!」


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